普段、身近にあるワセリンですが、何からできているのかはあまり、知られていないようです。原油を精製して、石油製品が作られますが、この時に出る不純物の中にワセリンの原料となる物質があり、それを高純度に精製すると、ワセリンができます。石油製品なら肌に悪そう、と感じるかもしれませんが、原油は太古の植物が堆積してできた自然の油です。ワセリンは脂肪酸を含まないために酸化する速度が遅く、品質保持期間が長くなります。開封しても、数年間、品質は変わりません。ワセリンには、黄色ワセリンと白色ワセリンがあり、黄色ワセリンは精製度が低く、不純物を多く含みます。黄色ワセリンで何かトラブルのあった場合や、顔に使う場合には、精製度が高い白色ワセリンを使用した方が良いでしょう。

ワセリンは油なので、塗っても、肌の内部には浸透せず、肌の上に膜を作ります。水分の蒸発を防いだり、外部の刺激から肌を守ります。化粧水や美容液で保湿をしてから、ワセリンで蓋をします。酷い手荒れの場合にも、このように塗ってから綿の手袋をして就寝すると良くなります。化粧下地として薄く伸ばしたり、リップクリームとして少量を塗ると乾燥から守ってくれます。入浴後に、乾燥しやすい身体の部位に塗ると保湿できます。靴擦れが起きやすい踵に塗ると潤滑油の役目をして、靴擦れの防止になります。靴やバッグなどの革製品は、乾燥すると、ひび割れを起こしてしまいます。布に少量ワセリンを付けて拭くと、艶が出て、ホコリを防ぎ、防水効果もあります。髪の毛先に少しだけワセリンを塗ると、乾燥と摩擦を防ぎ、枝毛を予防することができます。この他にメイク落としや、指輪が抜けなくなった時の潤滑剤にも使うことができます。

ワセリンを使う上で、気を付けることもあります。石油製品なので塗ったまま、日光を浴びると肌が黒くなり、ダメージを受けてしまいます。外出する際には塗らないようにし、もし塗る場合にはワセリンを塗った上に日焼け止めを塗ります。皮脂の分泌の多い肌の人がワセリンを塗ると、油分がさらに増えてしまいます。使う量を少なくして、吹き出物の周りには塗らないようにしましょう。ワセリンの容器に直接、指を入れると、そこに汚れが付いてしまいます。使い捨ての綿棒で取るようにすると良いでしょう。開封したら蓋をしっかりと閉めて、日の当たらないところに置くようにします。家にワセリンが1つあれば、スキンケア用品をいくつも持つたなくて済みます。一度試してみてはいかがでしょうか。