熊本県阿蘇市にある阿蘇山の中岳第1火口で36年ぶりに爆発的な噴火が起こり、市町村が九州から関西地方まで約120の自治区に降灰注意報を出しました。
阿蘇山近くの住宅では火口から噴き出た火山れきが雨のように降り注いでおり、屋根に火山れきがぶつかる音を録音したものがTwitterで投稿されています。

阿蘇山が噴火したのは10月8日の午前1時46分頃。
中岳第1火口からまるで爆発するような轟音と共に爆発的噴火が起き、火口からは画像のように溶岩が大きく吹き上がりました。
噴火と同時に火山性微動が原因の地震が発生しており、震度2ほどの揺れが観測されています。

阿蘇山の中岳第一火口が爆発的噴火を起こしたのは実に36年ぶりであり、昭和55年1月26日以来の大噴火となりました。

この爆発的噴火を受けて気象庁は阿蘇山の噴火警戒レベルを2から3に引き上げており、火口周辺だけではなく入山自体を規制する入山規制を行い始めました。

今後も続けて噴火が起こる可能性があると言われており、気象庁は阿蘇山のライブカメラから目が離せない状態となっています。

噴石とは、火山の噴火の際に火口から降り注ぐ岩や小石の事です。

阿蘇山の噴火でも火口から多くの火山れきや火山弾が降り注ぎ、車の窓などが多く叩き割られてしまいました。
阿蘇山火口から2㎞範囲では今も大きな噴石に注意するよう警告が続けられており、むやみに山に近づかないよう呼びかけられ続けています。

噴火直後は周辺宿泊施設や一般家庭などおよそ1600戸で停電が起こったようですが、現在はそれらの住宅にも電気が復旧しており通常通りの生活に戻っています。
しかし、宿泊施設などでは予約のキャンセルが相次いでおり経済被害は多少なりとも出ているんだそう。

熊本空港の飛行機はほとんどが通常運行のようですが、JRでは信号トラブルによる運行停止が相次いでいます。
現在線路が火山灰だらけになっており、信号も見えない状態になっているんだそうで…。

視界不良による交通事故や渋滞も予想されており、市町村は運転に細心の注意を払うよう呼びかけおりました。

九州地方から広島県まで超広範囲に火山灰が降り注ぐと予報されると、熊本県民が全国の人達に向けて火山灰の対処方法について様々な情報を発信しました。

まず、火山灰は絶対に車のワイパーで拭かないようにしてほしいんだそう。
土と違って火山灰は粒子が小さく細かいガラスのようになっており、降り注いだものをそのままワイパーで拭ってしまうと一気に傷がついてしまうんだそう。

火山灰が窓についたらとりあえず“ウェットティッシュ”でフロントガラスとサイドミラーを拭いて応急処置をし、ガソリンスタンドの洗車サービスを利用するしかないんだとか。
うっかり横着してフロントガラスをすりガラスにしないように気をつけましょう。

火山灰は粒子が細かいせいですぐに舞い上がってしまい、はいてもはいても上に上がってまた元の場所に降り積もってしまいます。
一度道を濡らして火山灰に湿り気を持たせ、デッキブラシなどで集めてしまうのが最も効率的だそうです。
集めた灰を側溝に流すと詰まってしまうので、ゴミ袋などに集めて捨てるよう気をつけましょう。

火山灰は服の繊維の奥深くまで入り込み、洗濯の度に固まって他の洗濯物や洗濯機をボロボロにしてしまう事があるんだそう。
降灰予報が出ている地域の方はすぐに洗濯物を屋内に入れて火山灰を洗濯物につけないようにして下さい。

噴火から数時間が経過した今でも警戒状態が続いており、首相官邸の内閣危機管理センターに情報連絡室を設置して各省庁で情報収集を行っている阿蘇山火口付近。

一時熊本地震と今回の噴火の関係性が囁かれましたが関連性は不明と言われており、火山灰や噴石の他に火山ガスへの警戒も怠らないよう注意が呼びかけられています。

これから降灰や噴石などを分析し、噴火の原因やメカニズムを調査していく方針のようです。
大きな事故や怪我がなくて本当に良かったですね。