韓国のアイドルグループ『KARA』の末っ子として大人気だった知英（ジヨン）さん。脱退後もてっきり韓国で活動するものと思っていましたが、日本が大好きな彼女はに来日して日本の事務所に所属しました。

その後は持ち前の強い精神力と女優としての確かな演技力で、少しずつ注目を集めて行きました。映画の主役を何本かこなし、やっとここから日本でもトップ女優になりそうだというところで…！？

まさかの衝撃的なニュースが流れてきたのです。なんと知英さん、夜逃げ同然で韓国に帰ってしまったというのです。その後、知英さんは韓国で活動しているという噂も真実なのか？調べてみました。

知英さんは2008年に2期生として『KARA』に加入しました。メインボーカルだったキム・ソンヒさんが脱退したことにより、オーディションが行われ、この時新しいメンバーとして選ばれたのがク・ハラさんとカン・ジヨン（知英さん）だったのです。

書類審査を含めると約6000人もの候補者がいたそうですがまだ中学生だった知英さんは見事2つの内の一つの椅子を手にしたのです。

同年7月に『ROCK YOU』という曲でデビュー。2枚目のミニアルバムの中に収録していた『ハニー』という曲でヒットチャート初の1位を獲得しました。

その後は事務所がKARAを積極的にバラエティ番組に出演させ売り込んでいくという戦略を行ったことが見事的中していきます。韓国の地上波『SBS人気歌謡番組』でミュージックランキング1位となった後はめきめきと頭角を現して行きました。

2009年7月30日に発売したKARAの初フルアルバムの中には『MR.』が収録されていました。ウエストラインを強調したセクシーだけど可愛らしい衣装と、お尻をフリフリするこれまた可愛い振り付けが『超可愛い』と人気爆発。若い女性を中心に大ヒットになりました。

絶頂期はミニアルバム『ルピン』を発売していた頃で、韓国三大歌謡番組で初の3冠を達成するなど名実ともにKPOP界の頂点へと上り詰めてしまったのです。

その後来日したKARAのメンバーの1人としてキュートな姿を披露してくれていた知英さん。日本人の多くの人がMR.のダンスを真似するほど大人気グループになっていきました。

知英さんは2012年にテレビ東京の日韓合作ドラマ『恋するメゾン RAINBOW ROSE』で日本のドラマに初出演しています。

KARAの人気がまだ凄かった2014年1月16日、初期メンバーだったチョン・ニコルさんが事務所と揉めたことを理由に脱退。その後彼女の後を追うように2期メンバーだった知英さんも同年4月5日をもって事務所との契約を満了したのです。

脱退後は4ヶ月間イギリスに留学していた知英さん。終わった後は韓国に帰国するかと思われましたが！？大方の予想を大きく裏切り、なんと彼女は日本の芸能事務所『スイートパワー』と専属契約を交わしたのです。

元々日本が大好きだと言ってくれていた知英さん、日本の事務所に所属することが決まった知らせを聞いた日本のファンたちは本当に嬉しかったことだと思います。

2014年10月からは日本テレビの連続ドラマ『地獄先生ぬーべー』のダブルヒロインの内の一人雪女のゆきめ役で出演しました。

また知英さんは身長167CMの抜群のスタイルを生かして、ファッション雑誌『ノンノ』のレギュラーモデルにも起用されます。

日本の活動の出だしはまずまずだった知英さんですが、2016年あたりから出演作は多いものの、少しずつテレビで姿を見かけなくなっていきました。

2015年3月には映画『暗殺教室』で初出演。そして同年4月からは初のラジオレギュラー番組『知英の季節』でパーソナリティを務めました。また同年10月にはネットシネマ『そちらの空はどんな空ですか？』で初主演を務めます。

これだけのスケジュールであればかなり忙しかったと思われますが、本当に努力家だった知英さんは『もっともっと精神的に強くならなければ』と自分を追い込み、更なる高みに挑戦していきました。

2016年ドラマ『ヒガンバナ警視庁捜査七課』では主題歌とオープニングテーマを担当。『JY』という名前で歌手活動をスタートさせました。同年9月にはミュージカル『スウィートチャリティ』で舞台初出演も果たします。

中学生の時から働き続けてきた知英さん、日本に来た後はもう少しスローペースでやっていくのかと思われましたが…。

蓋を開けてみれば、休みがなかったんじゃないかと思うくらい詰め込んだスケジュールの中で模索し頑張っていたのです。

しかしなかなかヒット作に恵まれず、色々なことに挑戦してはいるものの、KARAの時とはまるで正反対の、何をやっても成功しないという負のスパイラルにはまっていきました。

そしてついに2019年、プッツンした知英さんは彼女を束縛していた○○から逃れるように夜逃げ同然で韓国へ帰ってしまうのです。

最終的に知英さんには一体何が起こっていたのか？誰が束縛したのでしょうか？

知英さんはKARAが人気絶頂だった2011年頃、給料が安いと所属事務所を提訴しました。韓国のKPOPアイドルは一躍頂点に登りつめると、韓国だけでなく日本やアジア・ヨーロッパの各国からも人気を集め、世界的スターの仲間入りを果たします。

しかしその反面、下積み期間が大変長く、またその期間は事務所がお金を払って育ててくれるため、いざ稼ぎ頭になったときでも、あまり給料が多くないんだそうです。

事実KARAが活躍していた時期もずっと、KARAの後釜を狙う若い世代が下積みを積んでいました。研究生と呼ばれる金の卵たちを育てるために知英さんが稼いだお金が使われていました。

これだけ働いているのに『何で給料がたったこれぽっちしかもらえないの？』そんなことを疑問に思った知英さんは事務所を提訴しましたが、なかなか円満解決とはならず最終的に2014年KARAを脱退し事務所を去る決意をしました。

KARAが所属していた事務所の名前はDSPメディアです。ソウルに本社を置くこの事務所には彼らの他にもレインボーやAprilなどの有名なグループが所属しており、韓国の芸能界で幅を利かせる存在でした。

結局この大きな事務所と揉め事を起こしてしまった知英さんは、退所後韓国で活躍することが難しくなり、どうしたらいいのかと悩んでいた時に手を差し伸べたのがスウィートパワーの岡田直弓社長をだったのです。

元々知英さんは日本語が堪能でした。KARAとして日本のデビューが決まった時、日本人の先生からレッスンを受けていたそうです。途中からは忙しくてなかなか勉強が出来なくなったそうですが、どうしても日本語を覚えたいと思った知英さんはなんと日本のドラマを見て独学で学んだんだそうです。

Twitterなどのやり取りも参考にしながら、自分が知っている単語を必死に引っ張り出し、極力日本語で答えるよう努力していました。

そんな彼女の頑張る姿が大変可愛らしく、また片言の日本語があまりにもキュートで多くの日本人が知英さんのファンになってしまいました。

知英さんは元々小さい時から日本の映画やドラマ・音楽番組が好きでよく見ていたんだそうです。KARAとして日本に来るたびに優しい人柄、街の美しさにどんどん惹かれ、ここで自分を試したい挑戦したいと日に日に意欲が増していきました。

そんな彼女の気持ちとスウィートパワーの岡田直弓社長の思いが同じタイミングで合致、2人は手と手を取るように絶対売れてやると日本の芸能界の頂点を目指したのです。

ジヨンさんが日本に拠点を移したのはKARAを脱退した2015年のことでした。このころはまだKPOPブームや韓流ブームの真っ只中で、KARAの他にも少女時代や2PMなどが人気を集めていました。

韓国に旅行に行く女性がたくさんいたり、日本のテレビドラマに韓国の歌手が出演して話題を呼んだり、日韓関係が最も上手くいっていた時期といってもいいくらいでした。

スウィートパワーの岡田直弓社長も、この韓流ブームの流れに乗って知英さんを売り出そうとしましたが、韓流ブームが下火になるだけでなく、次第に日韓関係も険悪な状態になり、何をやってもうまくいかなくなってしまいます。

KARAの時はグループで活動していた知英さん。所属事務所を日本に移し一人で活動するようになってからは、自分がしっかりしなきゃいけないと思うことが多い反面、今までに感じたことのない自由があったと生き生きとしていました。

中学生の時から韓国では有名人だった知英さんはこれまでほとんど電車に乗った経験がなかったんだそうです。日本に来てからは地下鉄に一人で乗ったり、そういう当たり前のことが一つ一つ楽しかったと語っています。

そんな環境に順応力のある知英さんですが、ドラマ『地獄先生ぬーべー』でレギュラー出演した際は、韓国の現場とのギャップを感じ戸惑ったこともたくさんあったそうです。通訳なしで撮影に入っていたので日本語で芝居をするのが簡単ではなかった。この頃は大変苦労されたそうです。

韓国でも日本でもスーパースターだった彼女が心機一転、女優としてゼロから頑張る姿を見てスウィートパワーの岡田直弓社長は知英さんが可愛くて仕方がありませんでした。どんどんと入れ込んでいくようになり、次第に岡田社長は知英さんがいる現場のほとんどに付き添うような形で現れるようになっていったのです。

驚いたことにロケについてきた岡田直弓社長は知英さんと同じホテルの部屋に止まったり、2016年には世田谷の一等地に寮を建設し知英さんと同居生活を始めてしまうのです。

通常女優の現場に付き添うのは担当のマネージャーだと思うのですが、知英さんを愛するがあまり岡田直弓社長はスケジュールをほぼ知英さんに合わせ、足繫く現場に顔を出していました。

頑張り屋の知英さん、そして力を入れ込む岡田社長。ここまでやればブレイクしてもおかしくなさそうでしたが…。

日本と韓国の関係が悪化してしまったからか…知英さんの頑張りとは反対に芸能界では韓国の歌手や女優が使いづらい状況になっていきました。

なかなか増えない仕事、売れない知英さん。岡田直弓社長は次第に事務所のスタッフに八つ当たりするようになっていきました。

そしていつしか彼女は事務所のトップ女優だった桐谷美玲さんよりも『知英の仕事を取って来い』と要求するようになっていったのです。

何人かのスタッフはそんな社長に愛想を尽かしてやめていったそうです。

そんな頃、強引に作り出した仕事だったのが知英さん主演の映画『私の人生なのに』『レオン』『どすこい！すけひら』だったといわれています。

この3作品は岡田社長が業界のつてを駆使して『ウルトラC』で実現させた映画だったともっぱらの噂です。

知英さんは芸能事務所『スウィートパワー』の岡田社長に大変気に入られ『是非うちに来てほしい』と3度も頭を下げられたため、所属することを決意しました。

このスウィートパワーという事務所は桐谷美玲さん、堀北真希さん、黒木メイサさんなどトップ女優を何人も排出した有名な事務所です。

辣腕な女性社長がトップに立ち数々のスターを誕生させたことで、業界内では社長のことを『女ジャニーズ』と呼ぶ人も多数いるんだとか。

しかし気が付けば売れっ子女優たちは揃ってパートナーを見つけさっさと結婚してしまいました。桐谷美玲さんは三浦翔平さんと、堀北真希さんは山本耕史さんと、黒木メイサさんは赤西仁さんと幸せになったのです。

そんな岡田社長にとって知英さんは願ってもなかった、再び事務所のスターになれる逸材の登場でした。当然全力で彼女に入れ込んだ…というわけですよね。

可愛くて可愛くて仕方がなかった存在だったようです。周囲にはその可愛がりようが異様にうつるときがあるほど、知英さんに入れ込んでいたといわれています。

岡田社長の想いになんとか応えようとしていた知英さんでしたが、事務所のスタッフが愛想を尽かしてやめていったことや周囲から聞こえてくる声などにより自分を取り巻く状況がおかしい事に気がつき始めます。

自分のことを大切にしてくれる社長だけど・・・やっぱりおかしい。そう思った知英さんは2019年7月社長がいない隙に夜逃げ同然で韓国に帰ってしまいました。

しかしスウィートパワーの広報担当の話によると『岡田社長が知英さんと同じ部屋に泊まったことはありません。7月に知英さんが韓国に帰りましたが再度来日していて、今も業務提携しています』と円満退社を主張しているそうです。

2019年12月6日Instagramを更新した知英さんは、最近韓国の芸能事務所『キーイースト』と手を結び、再び韓国で女優活動を開始すると告知しました。

このキーイーストは冬のソナタで一世を風靡した俳優のペヨンジュンさんが設立した芸能事務所で、かなり力のある会社です。

実はペヨンジュンさん、既にこのキーイーストを2018年に10億円で韓国の超大手芸能事務所『SMエンターテイメント』に売却しています。

SMエンターテイメントはキーイーストの子会社である、日本最大の韓流放送コンテンツプラットフォーム会社『デジタルアドベンチャー』も同時に保有することになりました。

買収を終えたSMエンターテイメントは、韓国と日本を股にかけて活躍できる人材を探していた…。そんな時に現れたのが知英さんだったというわけなんです。SMエンターテイメントは喉から手が出るほど彼女と契約したかったと思われます。

しかしスウィートパワーの岡田直弓社長もそう簡単に知英さんを手放したくありません。だったら2つの事務所が知英さんを取り合いになるの？…そんなことを心配しましたが…。

過去に事務所とトラブルを抱えた知英さんはあの時の経験を生かし、今回は双方の意見を取り入れながら円満に解決できる答えを探したのではないかと思われます。

結果…2つの事務所は『業務提携』という形でこれからも一緒に仕事ができる形に落ち着いたようです。

ということで、結局今後はスウィートパワーが単独で知英さんをマネージメントするわけではなく、韓国のSMエンターテイメントが主導権を握りながらも、日韓双方の事務所で活躍できる形になりました。

現在知英さんはSBSのドラマ『夜食男女』への出演を検討していると噂があります。とりあえず女優・知英さんの姿はこれからも見られそうなので一安心しました。

2019年に入ってから知英さんのテレビへの露出が減ったのは、事務所の社長から束縛されたことによって韓国へ夜逃げし、韓国の事務所に所属して活動することが決まったからでした。

事務所の社長から気に入られることは嬉しいことだと思いますが、あまりに愛されすぎると大変だったなのかもしれませんね。芸能界で売れること、そして自分と合った事務所に所属することは、宝くじが大当たりするぐらい難しいことなのかもしれません。