6月15日に台湾一号店として新たにオープンした博多ラーメンの一蘭台湾店ですが、このお店が“行列に並ばなくていい権利”を2万円で販売したとしてネットが炎上しているようです。
台湾国内では一蘭に対する反発心が高まっており、現地のネット上でボイコットを訴える声も広がっているようでした。

博多ラーメンの一蘭とは、全国にチェーン店を持つとんこつラーメン専門店です。
このラーメン店はとんこつラーメンの激戦区である博多に本店を持つお店であり、とんこつラーメンでよく見かけるようになった“とんこつラーメンの真ん中に乗せてある赤いタレ”を始めたのはこのお店が一番最初なのだとか。

真ん中の赤いタレだけではなく、一蘭は様々なシステムを生み出した新システムの生みの親としても知られています。
まず、一人でラーメンを食べに行く一人ラーメンを一般的な物として確立させた『味集中カウンター』。
店側があえて一人席を多く設ける事で一人ではラーメン店に行きにくいという雰囲気を緩和し、男女問わず大量のおひとり様を獲得することに成功しました。

そして、スープの濃さやトッピングなどを自由にカスタマイズできる『一蘭専用オーダー用紙』。
オーダー前のアンケートによって麺の固さだけでなくスープの濃さやネギの種類まで自分好みに変える事が出来るこのシステムは、利用客に自分流の楽しみ方を提供し大きな反響を呼びました。

革新的なシステムを武器にアメリカ・香港に続き台湾へ第一号店となる『一蘭 台北店』をオープンした博多ラーメンの一蘭。
しかし、台湾店での行列を予想し行列に並ばなくて済む優先権・ファストエントリーを2万円という高値で販売した事で大炎上が始まってしまい、国内外から批判が相次ぐ結果となってしまいました。

博多ラーメンの一蘭・台北店で導入される事となった“ファストエントリー”とは、一蘭で販売されている持ち帰り用の商品をお土産として購入した利用客を2名まで優先的に席に案内するサービスであり、これを使う事によって行列が出来ている時でも並ばずにラーメンを食べることが出来るシステムです。

これだけ聞くと東京ディズニーランドなどでも見かけるファストパスのようですが…。

なんと、この“お土産”の価格は最安価格で2万1800円。
ディズニーランドのファストパスが無料であるのに対しあまりに高額である事が分かります。
ちなみに、一蘭ラーメン一杯の価格は790円であり、替え玉は一玉190円です。
お土産分の値段で何杯分ものラーメンが食べられる計算となりますね。

一蘭ラーメンが台湾店にてファストエントリーの導入を発表した直後、台湾国内ではファストエントリーのあまりの高価さに批判の声が相次ぎました。
日本一橋大学を卒業し現在台湾大学で法学部の教授をしている李茂生氏はこの一蘭の価格設定に対し怒りの声を発しており、自身のFacebookにて不買活動をほのめかす“ボイコット”を訴えています。

以下は博多ラーメン一蘭・台湾店のファストエントリーの値段を見たTwitterの反応。
あまりに高価すぎる“行列に並ばなくていい権利”の発売に台湾だけでなく日本国内でも一蘭に対する非難の声が上がりました。
「日本の恥」「殿様商売」「ぼったくり」「高すぎる」など厳しい声が相次いでいます。

実は台湾で始まったファストエントリーは台北店が最初ではなく、日本の福岡県太宰府市にある『太宰府参道店』と大阪府大阪市にある『道頓堀店本館』、『道頓堀店別館』の3店舗でも行われています。

こちらのファストエントリーのための“お土産”の値段は大阪府の2店舗が最安価格1万1000円、福岡県太宰府の1店舗が最安価格1万円だそうですので、台北店の約半分の値段になっているようですね。
それでもラーメン一杯の値段に比べるとかなりの高値となりますが…。

ラーメン一杯を並ばずに食べることが出来るファストエントリーに高値をつけて大炎上してしまった博多ラーメンの一蘭ですが、台湾で2万1800円を払ってまでこのサービスを利用する利用客は現れるのでしょうか？
国内外の反応に対して一蘭がどのような行動をとるのかこれから非常に気になりますね。