日本酒の種類とおすすめ銘柄まとめ!獺祭や久保田を中心に初心者入門編から玄人好みまで!
出典: クックビズ
日本酒は世界に誇る日本の文化のひとつ。一時は日本酒離れが加速していましたが、ここ数年でずいぶんと日本酒業界も盛り返してきました。その立役者となった獺祭や日本酒の老舗ブランド久保田を中心におすすめの銘柄を紹介!日本酒好きの方やこれから日本酒を嗜んでいきたい人は是非チェック!
日本酒は世界に誇る日本の文化!獺祭や久保田を中心におすすめの種類や銘柄をご紹介
初心者入門編から玄人好みの日本酒まで!
日本酒は西暦1世紀から造られていたとされる日本文化のひとつ
日本酒がこの国で造られるようになった歴史は比較的古く、断定はされていないものの西暦1世紀ごろにはすでに日本で酒造りが始まっていたそうです。
これは中国の思想書、『論衡』の記述などでも書かれているため信憑性の高い史実として伝えられています。
現在のようにしっかりとした酒蔵が建てられ、日本酒が精製されるようになったのは700年~1000年代ごろとされ、いわゆる『酒屋』というのもこの頃から登場してきています。
日本酒の衰退から復活までの経緯
そんな歴史の古い日本酒文化ですが、昭和の終わりごろからは衰退の一途を辿っていました。
ワインやウイスキー、ビールなどの外来もののお酒が流行し日本酒の肩身はどんどんと狭くなっていった時代です。
また、バブル崩壊と共に「質より量」を求める大衆の購買意識によって高いお酒が飲まれることがさらに少なくなっていきます。
そんなときに『本当に美味い日本酒』を造ろうと立ち上がった酒造業者がいました。
そうした良心的で文化的な業者が世に発表したのが、ここ数年での日本酒ブームを牽引している「獺祭」などのお酒です。
和食が無形文化遺産にも登録され、それに付随する日本酒の価値が再発見されていったのが日本酒復活のきっかけでもありました。
ここでは、本当に美味しい日本酒を造る酒蔵を中心におすすめの日本酒銘柄や種類をご紹介していきます。
日本酒ビギナーから酒好きの方まで参考になるような情報満載ですので、ぜひ最後までチェックしていってください。
日本酒文化再建の火付け役『獺祭』とは?
獺祭は現在、東京を中心に人気が高まり全国的にも知名度を上げた日本酒銘柄のひとつです。
コメの精米率にこだわり、本当に美味しいものだけを世に出したいと考えて造られた日本酒の最高峰的ブランドです。
しかし、そもそも獺祭がなぜこんなにも人気の日本酒になったのか?
その理由から紐解いていき、おすすめの日本酒をご紹介する根拠としたいと思います。
酔うためではなく、味わうための日本酒を目指して
獺祭は山口県の旭酒造が手がける日本酒で、飲みやすさとその豊富な種類が話題となり2010年ごろからの日本酒人気復活の立役者となった銘柄です。
「酔うため、売るための酒ではなく 味わう酒を求めて」をポリシーに、現在も新たな試みを日々試している革新的な酒蔵のひとつです。
獺祭が完成するまでの経緯
獺祭を製造している旭酒造は山口県の片田舎、岩国市の周東町獺越という場所にあります。
もともとは普通酒と呼ばれるごく一般的な日本酒を製造し、地元で細々とお酒を売っていた会社でした。
しかし、1980年代ごろより日本酒の出荷量は全国的に激減し始め経営状態は倒産寸前まで追い込まれました。
そんな中、1984年に父親から旭酒造を継いだのが3代目蔵元の桜井博志氏です。
桜井氏は大学を卒業後、灘の酒販メーカーの営業を3年半ほど経験していたものの酒造りに関してはまったくの素人でしたが、旭酒造に革命を起こします。
それが獺祭の開発です。
その当時販売していた普通酒「旭富士」を廃止し、純米大吟醸酒のみを造るという方針に変え試行錯誤を6年繰り返し獺祭づくりに成功をしました。
獺祭は地元で販売するよりも東京で販売するべき、という桜井氏の理念のもと1990年に東京進出。
そしてその2年後に、現在の獺祭における代名詞的商品「磨き二割三分」が製品化され世に出回るようになりました。
酒米の代表的銘柄「山田錦」を77%精米して造りあげられた獺祭磨き二割三分は、その飲みやすさやフルーティーな香りから一気に人気が上昇。
ほかの日本酒より比較的高価な商品ながら、その販売量は右肩上がりで業績をアップさせていったのです。
現在では東京のみならず全国的にその出荷量を高め、さらには海外への進出も果たしています。
桜井氏の考えは「海外で日本酒が売れなければ未来がない」というものであり、革新的な挑戦は現在も続いています。
獺祭のこだわりとその特徴!日本酒業界では異例の杜氏がいない酒蔵
獺祭の最大の特徴は「杜氏」がいないという点です。
杜氏とは日本酒造りには欠かせない専門家で、日本酒製造における最高責任者の役割を果たすポジションです。
通常の酒蔵なら必ずいる杜氏がいないというのは一見デメリットのように感じますが、旭酒造では杜氏制度を廃止したことにより日本酒の品質を経営者が直接チェックできるという利点も生まれました。
また杜氏は主に冬場に酒蔵に来て日本酒を造り、春には帰っていってしまうというサイクルで働いています。
しかし旭酒造ではその杜氏がいないことにより、通年酒造りを行えるマニュアルを作成し醸造量を2倍に高める効果も生み出しています。
これまで杜氏がいたころに蓄えたデータをもとに、酒米に対する水の吸水量の数値や発行状態を管理して獺際は造られています。
こうすることにより、誰にでも管理することができる状態を作りあげ品質にバラつきが起こることを防いでいるわけです。
現在もその管理体制はパートの女性が担当し、獺祭造りに一役買っているということですから驚きの経営手腕といえるでしょう。
こうした管理のもと造られている獺際ですが、その味の特徴としてはやはり「山田錦」の存在が外せません。
国内でも有数の酒米として扱われている山田錦ですが、その玄米を50%以上削り落とし精米することで大吟醸酒は造られています。
当初、獺祭は酒米を73%削り落とすことを目標にしていました。
しかし開発途中で日本で一番の精米率を誇ろうとし、さらに精米比率を上げました。
結果として現在の77%精米の「磨き二割三分」が誕生し、そのブランド価値を高めることに成功したわけです。
この精米にはおよそ168時間かかり、つまりは7日間もの長い間丁寧に磨き上げられているということになります。
雑味がなく甘い薫りが獺祭の魅力ですが、その根本にはこうした努力が隠されているのです。
また、獺祭の種類には発泡性の濁り酒や燗酒に適したバージョンの大吟醸酒など様々なものが取り揃えられています。
こうしたバリエーションの豊かさも獺祭が人気となった理由であり、ひとつの特徴といえるでしょう。
獺祭の種類と銘柄、おすすめのポイントをご紹介
獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分
開発から8年の歳月をかけて誕生した獺祭の代表的銘柄、それが磨き二割三分です。
誕生当初は国内でも最高の精米比率を誇り、その研ぎ澄まされた酒米の旨味を最大限に引き出した一本となっています。
まさに、「これぞ獺祭」と旭酒造が自信を持って出荷している逸品です。
およそ7日間かけて限界まで磨き上げた酒米・山田錦の旨味だけを抽出した磨き二割三分は雑味がなく、はちみつのような芳醇な香りと口当たりが特徴。
飲んだあとに消えていく余韻が長く楽しめて、その甘い香りが鼻孔をくすぐります。
フレッシュマスカットのような味わいと酵母による吟醸香がバランスよく、日本酒初心者にもおすすめの一本です。
純米大吟醸 磨き三割九分
獺際の精米比率を61%にしたシリーズで、大吟醸50と磨き二割三分の特徴を両方兼ね備えた一本です。
獺祭の中では中間の位置にある商品ですが、ほかの日本酒の精米比率と比較するとほぼ最上位に入るレベル。
さわやかな口当たりが人気です。
純米大吟醸50
酒米にするには国産米で一番と名高い山田錦を使用し、50%の精米比率にすることでコストを抑え比較的安価で商品化することが可能となった一本。
その山田錦に9号酵母と呼ばれる、強い吟醸香が出る酵母を合わせています。
上記2つより価格が安くなりますが、けっして味が落ちるという話ではなく、あくまで山田錦の旨味を残したシリーズです。
獺祭 遠心分離シリーズ
獺祭における「遠心分離シリーズ」は通常の日本酒とは異なる手法が用いられています。
山田錦と酵母を混ぜ合わせて発酵を促し、もろみと酒に分かれたものを圧搾せずに遠心分離機で日本酒を取り出したものが使われています。
ただし通常どおり圧搾して絞り取られた酒もブレンドされていますので、その味わいは複雑でスタンダードな獺祭とは違った風味を持っています。
獺祭 スパークリングシリーズ
獺祭の「磨き三割九分 発泡にごり酒」は、発酵途中のお酒を瓶に詰めて二次発酵を促したものです。
これはシャンパンと同じ製法となっていますが、獺祭のにごり酒はそれ以上の発泡性を感じることができます。
獺祭は米本来の甘みを忠実に日本酒へ移していて、もともと辛口のものであるにも関わらずにごり酒シリーズはスッキリとした甘さが特徴になっています。
米を噛み続けると口の中に広がる甘み、その特徴を充分にお酒に落とし込んだ商品です。
また、甘いだけではなくスッと消えるような後口が人気で食前酒としての役割も果たします。
強い発泡性で女性の方にもアルコールを感じさせず、まろやかな飲み口のスパークリングタイプの日本酒です。
獺祭 等外
獺祭に使用されている酒米は山田錦ですが、こちらの山田錦の中で基準を満たすことが出来なかった等外品を用いたものが「獺祭 等外」です。
ただし、けっしてその味わいが劣るということはなく精米技術によってしっかりと山田錦の旨味を引き出しています。
等外23などは生酒の一種になりますので、開栓後は早めに飲みきることをおすすめします。
味わいは若干の荒々しさを感じますが、それが良いアクセントとなっています。
米どころ新潟で造られる日本酒の老舗ブランド『久保田』
久保田というと全国各地の酒屋や飲食店で見かけるメジャーな日本酒のひとつです。
その久保田が生まれたのは新潟県にある朝日酒造。
もともとは地元での酒販売をメインに手がける街の酒蔵でした。
朝日酒造の挑戦的な日本酒造り
久保田には色々な商品があり、それぞれ味わいや個性が違います。
そうしたバリエーションが豊富なところも久保田の魅力といえるでしょう。
久保田に使用される米は自社で設立した「あさひ農研」が、地元の契約栽培農家やJAと共同開発した独自の酒米です。
それに地元・新潟産の優れた米をブレンドして商品は完成します。
あくまで新潟という土地にこだわった姿勢はボトリングやデザインにも反映されています。
手すき和紙に描かれた「久保田」のロゴですが、かつてはすべて手作業でボトルに貼り付けていました。
そういったこだわりが商品のバリエーションにも表れていて、季節ごとに楽しめる日本酒や手法を変えた日本酒などいろいろな形で製品化されています。
日本酒「久保田」の種類とおすすめ銘柄
久保田 碧寿
山廃酒母を使用しているため久保田シリーズの中でも味わいに深みがあり、どっしりとした味の印象が強いのが碧寿です。
酒米は五百万石のみを使用して50%の精米比率で磨かれた米本来の味を楽しむことが出来ます。
また、ぬる燗でこそその真価を発揮するといわれていますので、ぜひ温めて飲んでください。
熟成された果実のような香りと、芳醇な口当たりが特徴のひとつでもあります。
久保田 萬寿
万寿は久保田シリーズの最高峰であり、全国的にも人気の大吟醸酒のひとつです。
価格が高いため贈答用としても扱われています。
五百万石の精米率は50%、新潟県産の米は67%も削り落として造られるのが万寿です。
その味わいの深さはまさにシリーズ最高傑作であり、ほかの大吟醸酒と比べて香りの立ち方が違います。
柔らかな口当りと調和のとれた旨味は軽く冷やしても、わずかに温めても存在感を主張します。
久保田の美味しさを感じるのであれば一度は飲んでおきたい一本となっています。
その味わいは口に触れた瞬間にトロッとした感覚を与え、上質な絹のようなきめ細やかさを感じさせてくれます。
一口飲むだけで香りが鼻から抜け、爽快感のあるアロマはまるで熟したメロンのようです。
ゆっくり喉の奥に流し込むと淡麗芳醇な久保田萬寿の酒の味がじんわりと身体に浸透していきます。
その濃厚な味わいはいつまでも余韻を残し、充分な満足感を与えてくれます。
久保田 翠寿
朝日酒造が贈る最高の生酒が翠寿です。
4月から9月までの限定出荷となります。
加熱殺菌を一切せず、瑞々しく繊細な口当りが特徴で華やかな香りと柔らかな味わいが印象に残ります。
冷蔵庫やアイスペールで軽く冷やしてから楽しんでください。
ほかにもまだまだあるおすすめの日本酒
越乃景虎
山田錦を精米し蔵人の技によって長期で管理された日本酒ブランド。
吟醸から純米大吟醸まで揃っています。
その品の良い味わいと穏やかな吟醸香は絶品です。
木陰の魚
独自の路線を走る岡山県にある嘉美心酒造。
全国でも珍しく甘口を追求する酒蔵です。
フルーティーな味わいは女性にすすめたい1本として人気があります。
浦霞 禅 純米吟醸
ほどよい香りとやわらかな味わいのバランスのとれた純米吟醸酒。
食中酒に最適な「浦霞」を代表する逸品。
ほかにも吟醸酒などシリーズのお酒があります。
まとめ
日本酒は悪酔いする、そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、ご紹介したような本格的な日本酒においてはそんなことはなくむしろ二日酔いにもなりにくい印象があります。
ぜひ、これらを参考に日本酒の文化に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
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