神奈川県横浜市の市道にて、登校中だった小学生の列に軽トラックが突っ込み、列の中にいた小学校1年生の男の子が死亡する交通事故がありました。
事故現場はスクールゾーンで速度制限がかけられている場所でしたが、軽トラックを運転していた87歳男性はそこを猛スピードで走っており、認知症の疑いもかけられているようです。

事件が起こったのは横浜市港南区大久保1丁目にある一方通行の道路上。
朝の8時5分頃、小学生9人が縦一列に並んで道幅6mほどの道路の歩道を歩いていたのですが、そこへ87歳男性が運転していた軽トラックが突っ込み、小学生全員を巻き込む交通事故を起こしました。

事故の詳細を発表した神奈川県警によると、軽トラックはまずバスの停車待ちをしていた前方の軽自動車に突っ込み、その勢いで横転して小学生の列を押し潰したのだとか。

この事故でぶつかられた軽自動車に乗っていた70代の男女はけがで済み、軽トラックがぶつかってきた勢いで軽自動車に追突された市営バスの乗車客にけがはありませんでしたが…。

軽トラックに突っ込まれた1年生2人・2年生1人・3年生3人・4年生2人・5年生1人の9人の内2人は重症を負い、1年生の男児1人は横転したトラックに押し潰されてそのまま死亡してしまいました。

事件現場には死亡した男児の両親が駆けつけており、子どもの名前を叫びながら号泣する母親の姿が見られたそうです。

登校中の小学生達に軽トラックを突っ込ませた87歳の男性運転手ですが、この男性は事故直前、防犯カメラに道路を猛スピードで走る姿が撮影されていました。

画像は事故現場となった道路のグーグルマップの映像。
道幅は6mと狭めですが1本道で見通しも良く、歩道の部分も分かりやすく緑色に塗られています。
さらに、この道路の車道には『スクールゾーン』と書かれた文字もあり、速度を落とすよう標識で警告されていた道でした。

スクールゾーンとは、幼稚園や学校の近くで登校路として指定され交通制限が行われる道路の事です。

一般的にスクールゾーンは一般道と違い時速20㎞～30㎞の速度制限が定められているのですが、防犯カメラの映像を見る限り軽トラックは制限速度通りに走っていた市営バスに比べて明らかに早く走っており、スピード違反の疑いが濃厚となっています。

そして、交通事故を起こした人間には被害者を救護する義務があるのですが…目撃者の話によると、運転手は事故を起こした後も運転席でボーっとしており救護活動を行わなかったのだとか。

軽トラックを起こした後も運転手は車内から出てこず、ぼんやりとしたままだったそう。

警察が運転免許を調べてみたところ、男性は2013年に免許更新を行ったのが最後であり、更新の際に行った認知症検査では異常は認知症として診断されなかったそうですが…。
認知症の進行は個人差が激しく、人によっては数年で認知症の深度が初期から中期に進む事も珍しくはありません。

小学生の列に突っ込んで11人もの人間を死傷させ、6歳という未来ある子どもの将来まで奪ってしまった87歳の男性運転手。
まだこの男性の名前や顔写真は公開されていませんが、神奈川県警は現在この男性を過失運転致死傷の疑いで捜査しており、刑事訴訟が起こればその両方が明らかになる可能性が高いと考えられています。

事故の原因を徹底追及してもらい、二度とこのような交通事故が起こらないようにして欲しいものですね。