都知事選史上最多数、21名の様々な候補者が入り乱れて世間の注目を大きく集めていた東京都知事選2016。
7月31日に投開票が行われたこの選挙ですが、当日夜には無所属で立候補した小池百合子氏の当選が明らかとなりました。

日本初の女性都知事の誕生に世界も注目しているようです。

投票結果
【第一位】小池百合子氏　291万2628票
【第二位】増田ひろや氏　179万3453票
【第三位】鳥越俊太郎氏　134万6103票

小池百合子氏が得た投票数は291万票余り。
これは第二位の得票数を得た増田氏に100万票以上の差をつけた圧勝となっており、小池氏に対する期待が大きくあらわれた結果となりました。

圧勝の理由として考えられているのは“自民党支持層都民からの得票”。
小池百合子氏は自民党からの応援を一切受けない孤独な自民党政治家として東京都知事選に出馬していましたが、その姿に感銘を受けた都民の支持を多く集める結果となったようです。

世間の注目を多く集めていた今回の東京都知事選選挙。
その注目を裏切る事なく投票率は非常に高いものとなっており、投票率は59.7％と前回選挙と比べ大幅アップする結果となりました。

注目度の高さもありますが、今回の選挙は
・石田純一氏など有名人が出馬を検討し話題になっていた
・18歳から投票が可能な“18歳選挙”だった
・前東京都知事の舛添氏が“政治とカネ問題”で連日テレビで糾弾され話題となっていた
など様々な要因が重なっており、それらが積み重なって今回の投票率につながったと考えられています。

エジプトにあるカイロ大学を卒業後、アラビア語の通訳として活躍していた小池百合子氏。
その後彼女は日本テレビや東京テレビでニュースキャスターを務め、1992年に「政治を変えるには大きな中古車を修理するのではなく、小さくても新車の方がいい」として結党されたばかりの政党・日本新党から立候補し政界入りを果たしました。

スーツを着ず、ノーネクタイや半袖シャツで会社に出勤するスタイルである『クールビズ』。
夏場のサラリーマンにとって大変ありがたいこのスタイルですが、このスタイルを発案し公務員などにも普及させたのは小池百合子氏なんです。

男性が女性から性的サービスの提供を受ける『ソープランド』。
昔このソープランドは『トルコ風呂』と呼ばれていましたが…小池百合子氏がトルコ留学生であるヌスレット・サンジャクリさんからの抗議を受け、強く共感。

小池氏が政治や世間に働きかけてトルコ風呂はソープランドと名称が改められるようになりました。
意外と世俗的な事もしているのですね。

通常政党内で調整や話し合いを重ね、満を持した状態で出馬を決める政党所属の立候補者。
しかし小池百合子氏は舛添氏の辞任後すぐにほぼ独断で都知事への立候補を表明し、自民党に大きな衝撃をもたらしました。

結果自民党からの支持を一切受けない無所属での出馬を余儀なくされ、様々な政治家たちから非難を浴びながらの政治活動となったようです。

小池百合子氏は当選確実の一報を受けた後勝利宣言を行っており、支持者に向けて
「待機児童や介護の問題を責任を持ってやりたい。首都直下地震で被害を最小限にする方法を考えたい」
と述べています。

また、政見放送では『ダイバー・シティ、セーフ・シティ、スマート・シティ』の三つの柱を掲げており、

ダイバーシティとして
・全ての都民がいきいきと活躍できる東京づくり
・女性政策の正面化
・オリンピック、パラリンピックの予算見直し
・満員電車問題、長時間労働問題の解消　など

セーフティシティとして
・東京の耐震化や不燃化(東京と直下地震対策)
・電柱の都道0化
・治安維持、テロ対策　など

スマートシティとして
・ヒートアイランド対策の実施
・省エネ技術の駆使
・都心農業の保護　など

様々な政策を実施する予定を述べていました。

自民党の応援を一切受けず、自民分裂の状態で選挙に出馬した小池百合子氏。
小池氏に対する東京都連の反発は凄まじく、自民党議員に向けて
「非推薦の候補を応援した場合(親族含む)除名処分の対象にする」
という文書を発行し、親族含め小池氏を応援しないように強制するなど徹底抗戦の姿勢をとる程でした。

内部分裂を誘発した結果となった小池氏に対し、自民党は現在今後の対処を検討中だそう。

圧倒的な支持を得て当選を果たした小池百合子氏。
小池氏はインタビューに対し現在離党の考えはないと述べており、小池新党の結党もありえないと述べています。

事実演説中も安倍政権に対する非難は一切行っておらず、これから現政権に対する歩み寄りが行われると考えられています。
これからの東京は一体どのような形で変わっていくのでしょうか？
任期の4年間に何を成してくれるのか期待が高まりますね。