障害者介護施設『津久井やまゆり園』で起こった戦後最悪の大量殺人事件。

「障害者なんていなくなればいい」という考え持つ施設元職員の植松聖容疑者によって障害者19名が殺害され、26名が重軽傷を負うという凄惨な事件が起こって早数日が経過しました。

警察に植松聖容疑者が逮捕された現在もこの事件は大きく尾を引いており、容疑者のTwitterには未だにメッセージが送られ続けています。
しかし、容疑者に送られているメッセージは意外なもの。

犯人に対する非難のメッセージも多くあるのですが、植松聖容疑者を賛美・同情するメッセージがあまりにも多く話題となっています。

え！？ …信じられないようなTweetの数々が…

植松容疑者は元々父親の背中を追って教師を目指していた人物で、小学校の頃はアニメのキャラクターの物まねをしたりとひょうきんな人物として数多くの友人を作っていました。

帝京大学時代には教師を目指して教育実習にも赴いており、実習先の小学校では『明るく人柄も良い・積極的に子供に関わる・真面目で勉強熱心』など教師としては申し分ない評価を挙げられていました。

残念ながら教員試験を受けることができず、津久井やまゆり園には夢破れた状態で就職してきていたようです。

就職直後は『障害者を介護する事が自分の生きがい』とまで述べていた植松容疑者。
しかし勤務が続くにつれ彼は変わっていき、大学からの友人に「さと君がバグった」と言われるほど全く別の人物へと豹変していきます。

近所のに住んでいた住人や友人によると、
・勤務前は黒髪だった髪が突如金髪に
・ワンポイント程度だった刺青が背中全面に
・「障害者はいらない」など暴言が目立つようになる
など施設で勤務を始めてからの容疑者の変わりようは恐ろしいものだったようです。

結局彼は背中に掘った刺青が施設にバレてしまった他、友人に話していた「障害者なんていなくなればいい」という発言を障害者の前で言ってしまった咎で自主退職させられることとなってしまいました。

画像は津久井やまゆり園の職員待遇が分かる求人情報の一部。

夜間勤務にもかかわらず夜勤専門生活支援員の給与はなんと時給905円と神奈川県の最低賃金となっており、一晩丸々勤務するにもかかわらず休憩時間は2時間ほどとかなり過酷な労働条件となっていたようですね。

160名前後の入所者を抱えているにもかかわらず植松聖容疑者が犯行当時拘束する必要があった職員はたったの2名であり、法律で定められている障害者人数当たりの世話人数よりもはるかに少ない人数でした。

下記は植松聖容疑者が犯行直後に呟いたとされるツイート。
逮捕後も削除されずに残っているこのTwitterは日々多数のRTがされるようになり、フォロワー数も急上昇しているようです。

犯行直後のツイートには大量のメッセージが寄せられており、てっきり容疑者を非難する内容ばかりかと思いましたが…。

これでもごく一部。
もちろん容疑者を非難する内容のものもあるのですが、容疑者の犯行を容認・賛美するメッセージが多数寄せられているようです。

介護職経験者による重い経験談。
退職前の植松聖容疑者の労働環境があまりにもブラックすぎるとして同情の声も多くあり、殺意を否定しない意見も多くありました。

こちらは実際に障害を負っている方のツイート。
この方の他、「障害者はいらない」という言葉に道徳的観念以外の反論が思いつかない人間も多数存在しているようです。

勿論殺人は大きな罪ですので裁かれるべきなのですが…好青年だった彼に一体何があったのでしょうか？

ブラック企業としてインターネット上で大きく話題となった津久井やまゆり園。
しかし、障害者介護施設の待遇の悪さは全体的に非常に悪く、給与が最低時給となっている場所は決して少なくないんだそう。
職員が手取りで20万円以上の月給をもらっている施設は非常に少なく、給与の低さが原因で結婚・子育てが出来ない若者は多いんだそうです。

“とにかくキツい”と有名な介護職。
勿論障害者介護も例外ではなく、施設の職員さんは毎日大変な苦労をしているんだそう。

まう、移動介護・オムツ介護・入浴介護などで腰を痛める人間は多く、仕事内容は体力勝負。
首に噛みつかれたり排泄物を塗りつけられたり服を脱がされたりしても抵抗したり大声を上げる事は許されず、とにかく忍耐が必要な仕事ですので人の入れ替わりが激しいんだとか…。

その上時間外勤務は当たり前で残業代は出ず、障害者の方が施設から脱走したりすれば休日でも出勤させられて逃走された方の捜索をしなければならないなど気の休まる暇がないんだそう。

そういったことを毎日こなしている職員さん達には本当に頭が下がりますね…！

愛情を持ってわが子に接し、毎日のように障害者の面会に来るご両親の方も多くおりますが、そうでない方も多くいるのが障害者施設。

施設に預けた後は一切面会に訪れず、職員に向けて『何でもいいからとにかく生かしておいて！』とまで言ってくる親も多数存在するのが障害者施設の現実です。

わが子に愛情を持てないにもかかわらず公的機関に相談を行わず、こういった状態になっているのは何故か？
それは、障害者の方に毎月支払われる“障害者年金”が原因です。

障害者の方には毎月障害の重さに応じて障害者年金が支払われており、その額は最高で8万円以上。場合によっては“補足給付”という形で1万5千円弱のお金が上乗せで給付されてます。

施設の入所費用は現在法律によって可能な限り減免されており、確実に黒字になる金額。
この黒字分の金額目当てで心ない両親は甘い汁を吸っているのです。

元は明るく親しみやすい好青年であった犯人を薬物に走らせ、「障害者なんていらない」という暴言を吐かせてしまうまでに変えてしまった障害者介護の現状。

介護職の待遇の悪さは目に余る物であり、日々改善を求める声が叫ばれています。

どんな理由があるにせよ、彼の行動は許されるものでも称賛されるものでもありません。

第2・第3の“植松聖”を生まないよう介護業界の改善が一刻も早くなされるといいですね。

被害者の冥福を心よりお祈り申し上げます。