「高専」つまり「高等専門学校」といえば高校入学の年齢から専門的知識を学び、卒業後の就職も悪即されたエリートの学校というイメージもあるのではないでしょうか。

群馬高専という学校では、20014年1月から2016年1月までに、3人もの生徒が、自殺かその可能性のある亡くなりかたをしています。寮の中、川、山などで亡くなっているのです。

この件について、市民オンブズマン群馬というところが、情報開示を求めています。

新聞記事で気になるところを引用してみましょう。

こちらの新聞記事も、気になるところを抜き出してみます。

そんなに立て続けに、山とか川とかで死なないですよね……。同じ学校の生徒なのに。ドラマじゃあるまいし。

パワハラは、会社で力＝パワーのある上司という立場を利用して嫌がらせをすること。

アカハラは、アカデミックな学校という場所で、教師という立場を利用して自分勝手な嫌がらせ、強要などをすることですね。

この2年余りの間、学校側は隠ぺいに走っていたようです。校内に貼り紙をして、どうやら調査している市民団体には何も言うな！と卒業を盾に脅していたのです。

これでは、アカハラと言われても仕方がありませんね。

とても回りくどく、一見意味がわからないようです。

この文章は要するに「あの団体側に付いたら卒業できないかもしれないぞ、潰すぞ」という意味らしく、これに学生たちが激怒し、画像も拡散しているのです。

「やっぱり群馬高専は闇」と「やっぱり」になってます。過去に新聞にまで載ったアカハラ問題から成長してないのでしょうか。

高専の多くが、高度な職業専門学校の意味を持っているので、学習内容もレベルが高いのが普通で、しかも理系の勉強をしています。

勉強のストレスに耐え切れなくなるとか、寮生活になじまないとかで、鬱になり、自殺を考える人がいそうなのはわかります。

実際、高専出身者みずからが「自殺多いんだよね」と言っているのも聞いたことがあります。世間ではそれが当たり前の認識になっているみたいですね。

とはいえ、この人がtweetしているように2年で3人は多すぎですね。1年に1人以上という計算になります。1年に1人でもビックリしますから。

この群馬高専の問題についての市民団体のブログがありました。
「市政をひらく安中市民の会」http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/

くだんの職員は懲戒免職され、新聞にも載りました。それなのに何年経っても改善されないアカハラ体質ってどうなっているのでしょうか。

この職員は、22歳の学生に対して、執拗に、

「あなたはだめな人間だ」
「敵を作る人間だ」

という言葉をほかの生徒の前で数十回も繰り返したのだそうです。

また、研究器具をこの生徒にだけ3年間にわたり使わせなかったのだとか。

小学生のイジメじゃあるまいし、教職につく大人のすることとは到底思えません。

また、この市民団体のブログには、情報開示請求のいきさつも詳しく時系列で記録されています。前回は腹をくくったのか、一人の職員をクビにして事なきを得た群馬高専ですが、今回は隠ぺい作戦に出ているようです。

生徒の遺書まであることから、どうしても隠したいヤバい事情でもあるのかと疑ってしまいます。

ブログによると、2月に行われた保護者説明会では、部外者であるという理由から断固として参加を断られてしまったそうです。

保護者の皆さんだけに話したい的なことも言っていたのだそうですが、人が何人も死んでいるので、もはや社会的な問題になっています。

この理由はちょっと訳が分かりません。

ホームページには、ハラスメント予防の組織が学内にあるということが明記されています。それなのに、今回もなぜ自殺者が出たのでしょうか。

実は、2012年の校長は竹本さんという人で、いまの西尾校長とは違います。

校長が変わっていたのですね。

新しい好調になってアカハラ予防の大切さが忘れられ、職員たちも怠けてしまっていたのかもしれません。

田中角栄という昭和の政治家は、とても情熱家で、戦後貧しかった日本をどんどん変えていきました。今、日本中に高専があるのも、彼の尽力によることが大きかったそうです。

その頃は、すぐに社会で活躍できる高専生を量産するのも、国力を高めるためには必要だったのでしょう。

しかし、時代が変わり現代での高専制度へ疑問の声が上がり始めています。

高専を卒業した人が、他校や大学に編入するのは大変です。また、就職先は狭い分野に限られるのは、最初からわかっていることとはいえ、後で違う分野に進みたくならないとも限りません。

学費は安いとはいっても、それで大卒相当の学号が得られるわけでもないので、果たして適正価格かどうかと考えると、その点も微妙。

また、伝統的に理系オンリーで英語などの語学学習に力を入れてこなかったのも問題。昨今、なんの仕事をするにも多少の語学力がないと、転職にもとても不利ですね。

授業料が高い私立大学よりも断然、安くて就職を決めやすい高専ですが、卒業生からのこんなアドバイスも。

専門性が高く、会社に入っても即戦力になるのに、学号が準学士というだけで大学卒よりも給料が安いとは。

これは実力主義の社会の風潮には反していますね。

これから進学先を考えている人は、よく考えて学校を選んだほうがよさそうです。

そして群馬高専には、一日もはやく真相を明らかにして罪を償ってほしいものです。