2016年6月16日に起きた函館地震。

地震の直前にテレビやラジオ・携帯電話などが大音量を発し、全国的に緊急地震速報が放送されたのは記憶に新しいですね。

函館地震で死者が出ず、怪我人もほとんど出なかったのはこの緊急地震速報のおかげでもあると言えるでしょう。

地震直前に発表される緊急地震速報。
強い揺れが来る直前に私達は一体どんな行動をとればいいのでしょうか？

緊急地震速報後にやるべきこと・やってはいけない事を紹介します。

突然ユサユサと大きく揺れ始めているように感じる地震。
しかし、実は地震は大きく揺れ始める前わずかに小さく揺れているのです。

この小さな揺れを初期微動(P波)と言い、
私達が感じる大きな揺れを主要動(S波)と言います。

二つの波に時間差があるのは、
P波は時速7㎞で地面を走り、S波は時速4㎞で地面を走るから。
この速度差のおかげで地震には必ず二つの波ができるようになっています。

震度計によってP波が感知されると、
その情報は即座に気象庁へと送信されます。

そして受信された情報が気象庁経由でスマホやテレビ、ラジオなどの各媒体に流されていき、最近お馴染みとなった緊急地震速報となって私達に伝わるのです。

ものすごい情報伝達速度ですね。

緊急地震速報が鳴った直後。
あと数秒で地震が来るという合図があった時、私達は何をすればいいのでしょうか？

食器棚や冷蔵庫など、倒れてくると危険なものが勢揃いしている台所。

もしも台所で緊急地震速報が聞こえてきた場合、
即座にガスコンロの火を消して台所から脱出して下さい。
ガスの元栓を切るのは揺れが収まって家の外に避難する段階になってからで大丈夫です。

リビングで緊急地震速報が流れてきたらテーブルの下やコタツの中に隠れるのが一番ですが、そういった場所がない場合でも大丈夫。

ソファのクッションや着ている服を脱いで頭に被り、
とにかく頭を保護する状態でうずくまりましょう。

ベッドや布団で寝ている時に緊急地震速報で叩き起こされた場合、
絶対に何かしようとして起き上がろうとしないで下さい。
寝起きで頭が働き辛くなっているのであまり建設的な事はできません。

寝ている時に緊急地震速報が鳴った場合はとにかく毛布や布団に頭まで潜り、
丸まって体を守りましょう。

お風呂やトイレで緊急地震速報が鳴ってしまった場合、とるべき行動は一つだけです。

それは、“入り口のドアを開けること”。
一般的にお風呂やトイレには降ってきて危ない物はほとんどありませんので、
ドアさえ開けて脱出経路を確保してしまえばしまえばそこまで心配はありません。
ドアを開けたらその場に座って揺れが収まるのを待ちましょう。

事務所のようなオフィスで緊急地震速報が鳴った場合、
とるべき行動は自宅編とあまり変わりません。

即座にイスをよけて事務机の下に避難し、揺れが収まるのを待ちましょう。

会社や自宅・学校などでは頻繁に避難訓練や地震の訓練が行われていますが、
屋外での地震訓練は経験のない方が多いのではないでしょうか？

車の中で緊急地震速報が聞こえてきた場合、“絶対に”急ブレーキをかけてはいけません。
後続車とぶつかって玉突き事故が起こり、大惨事になってしまいます。

ハザードをたいて“ゆっくりと”スピードを落とし、
路肩に止まって揺れが収まるのを待ちましょう。

ガラスの破片などの落下物があるかもしれませんのですぐに車から出てはいけません。

車内以外の屋外で緊急地震速報が鳴った場合、その場でカバンなどを頭に乗せてうずくまって下さい。

ただし、うずくまる場所には注意が必要です。

緊急地震速報が鳴って大きな地震が起こった後に、『絶対にやるべき行動』『絶対にやってはいけない行動』がある事をご存知でしょうか？

特に『絶対やってはいけない行動』をやってしまっている方、結構多いです。

地震が終わったら、
どんな場所にいてもまず自分の無事の報告や周りの人への声掛けを行ってください。

地震に遭った場所が家なら家族を安心させることが出来ますし、
外出先だった場合ひょんな事から怪我人の早期発見が出来るかもしれません。

地震後にすぐに電気をつけてはいけない理由は、

地震で停電が起きるクラスの揺れになると、揺れの激しさでガス管が破れ、室内にガスが溜まっている場合があります。

その状態で電気をつけるスイッチを押したり室内灯の紐を引っ張ってしまうと…。
電気系統内で小さな電流が走り、運が悪ければそれがガスに引火して大爆発が起こってしまいます。

まずはガス漏れなどの確認を行い、窓を開けて換気をしてから電気をつけるようにしましょう。

大きな地震の直後に絶対やってはいけない事、
それは『安否確認の電話をかけること』です。

心配になる気持ちは分かりますが、地震の直後、一番繋がるべき電話は
『救助の要請や救急車の手配、火災発生の通報』です。

一度に繋げる回線の数にはどうしても限界があり、安否確認などの雑談で回線が塞がってしまうとそういった連絡が繋がりにくくなってしまいます。

安否確認は緊急伝言板を使うかSNSを利用しましょう。

緊急地震速報で地震が来る直前から地震に向けて構えられるようになりましたが、
大きな音に驚いているだけでは以前と生死の確率が変わりません。

直前の行動で生死が分かれる事は大いにあり得ます。
地震が多いこの機会に地震直前何をすれば良いのかしっかりと理解し、
自分や大切な人の身の安全を守れるようにしていきましょう。