知っておきたい「孤独死」について

「孤独死」という言葉について、新聞やニュースなどで見かけたことはあると思います。
その名の通り、孤独死とは誰にも気づかれずに一人きりで死ぬこと。そして、死んだあとも気づかれないまま時間が過ぎていって、腐乱などの問題が発生します。そんな孤独死の問題について、向き合ってみましょう。

現在のところ、”孤独死”の明確な定義はありませんが、一般的には「自室内で、誰にも看取られず孤独のまま死亡すること」と解釈されています。多くの場合、第三者や身内の方に発見されるまで、しばらく期間が経過しているケースが多いです。
具体的には日常生活における突発的な体調悪化や疾病、ケガなどによって自室内で死亡に至るケースを指すことが多い。

孤独死と似た言葉に「独居死」や「孤立死」、「無縁死」がありますが、どれも意味は同じとなっています。
誰にも気づかれずに死ぬということは大きな問題となっており、いつ発生してもおかしくない状況と言えるでしょう。

年々、孤独死する人が増えている

日本は「孤独死大国」と言われていることはご存知でしょうか?
実は毎年のように孤独死が発生しており、その件数も年々増えつつあるんです。

過去16年間の男女別の孤独死発生件数

ニッセイ基礎研究所の調査によると、その数は現在年間で、約3万人だと言われています。単身者が急増しつつある日本で、孤独死は誰もが自分の身に起きないとは言い切れないという時代になっています。

1999年~2014年までの孤独死発生件数を見たら分かるように、孤独死は昔と比較して増加しています。
孤独死が増えている背景に高齢化社会や未婚率の上昇などが挙げられます。特に身寄りのいない一人暮らしの高齢者が孤独死しやすいということが分かっているでしょう。
そこで、なぜ孤独死をしてしまうのか?と気になりますよね。孤独死をしてしまう原因として、次のような理由があるのです。

孤独死の原因の多くは、高齢者のひとり暮らし・家族や身内または近隣住民とのコミュニケーションがなくなったことなどがあげられます。また、自力での歩行や日常生活などが困難になり、家に引きこもる状態が続くことも原因と言えるでしょう。

昔は当たり前だったご近所付き合いの減少や核家族化などが原因でコミュニケーション自体が減っていき、孤独死の増加に繋がっているのです。
また、高齢化社会が進んでいる日本では2060年には人口の40%以上が65歳以上の高齢者になると言われています。このことから、孤独死はもっと増えていく可能性が推測されるでしょう。

孤独死しやすい人の特徴

一般的にどのような人が孤独死を起こしやすいのでしょうか。
孤独死してしまう人の特徴をチェックしましょう。

孤独死に陥りやすい生活様式として
・高齢者
・独身(死別を含む)
・慢性疾患を持っている
・定年退職などで職業を持たない
・親族が遠方にしかいない
の5点があげられるといわれています。
・地域との関わりが少ない人
・家族とかなり離れて暮らす人
・独身で、恋人のいない人
・心理的遮断状況にいる人
・そもそも他人とのコミュニケーションが苦手な人
・非正規雇用者
孤独死の多くは、60代のお酒好きの男性です。過度に酒を飲み、ストレスが多い生活をし、辛いことを他人に言えずにため込んでしまう。あまり周囲と接触しない。そのうえ高血圧や糖尿病などを患い、勝手気ままなタイプの方が孤独死しています
数多くの現場を実際に見てきた特殊清掃員だからこそわかる意外な事実。
なんと、孤独死してしまう人の部屋の壁には、名言とか、目標とか、そういったものが貼ってあることが多いという。

孤独死は高齢者に多いイメージがありますが、最近では若者の孤独死も珍しくないのです。
“他人と関わりを持たない”ということが一貫して、高齢者や若い世代など年齢関係なく孤独死しやすい人の特徴と言えます。

孤独死を防ぐ方法

孤独死はその後の処理がとても大変です。何週間、何ヶ月も気づかれなかった遺体は徐々に腐敗していき、周りに大量の虫が発生してしまうなんてことがほとんどです。また、やはり死について気づかれないというのは辛いもの。
そんな孤独死を防ぐためには、次のことを意識するといいですよ。

1.民間事業者のサービスを利用する

現在では、大手通信会社等が高齢者を見守るサービスを提供しています。例えば

・セコム
・東京ガス
・NTTドコモ

などがサービスやスマホアプリの形でサービスを展開しています。

2.健康に気をつける

孤独死が少しでも気になったら、今日から健康に気をつけましょう。
孤独死は現役世代でも有りうることなので、年齢には関係ありません。
健康に気をつけすぎるということは無いので、飲酒や喫煙、暴食などに気をつけて、適度な運動を心掛けましょう。

3.交流の場を設ける

孤独死を予防する対策は幾つか考えられています。主たるアプローチとしては、社会的な繋がりが完全に絶たれてしまうような環境を整備するという手法がとられています。市町村が主体となって地域コミュニティをつくり、交流の場を広げる試みです。

また、各地域の行政は孤独死を無くすためにも様々な取り組みをしています。

・牛乳屋や新聞屋の配達員による見回り
・高齢者の生活を見守るシステムの導入
・行政の職員による訪問

一人で生きていくためにしたいこと

孤独死を防ぐ方法方法や対策法を見ても、実際に一人で暮らさないといけない人は数多くいるでしょう。
「自分は一人で生きていく」と思った場合、万が一のことに備えて老後について考えておく必要があります。年齢を重ねているのであれば、“納骨堂”などをチェックしてみるといいですよ。

納骨堂とは、その名の通り遺骨を収蔵しておく屋内の施設のことです。法律上ではお墓と同じ扱いですが、お墓のように永代に渡って家族代々の墓として使用するのではなく、一定期間個別に保管されたあとは合祀されて、永代供養されるのが一般的です。後継者がいなくても安心なので、未婚のかたや子供を持たない家庭が増える現代では特に人気が高まっています。

お墓を持っていないということは珍しくありません。お墓を所有していれば問題ありませんが、やはり自分の死後も考慮してこのような準備はしておきたいところ。

また、一人で生きていくためにも住まいやお金のことについても考えましょう。

ひとりで生きていくと決めたら必要な金額は何と1億円とも言われます。

そんなに必要ないでしょう??と思わず考えてしまいますが、一生涯でかかる病気やケガについては200~300万円は貯金をしておきたいところ。

住居に至っては3000万は最低限必要、その他の生活費やお葬式なども含めて5000万程度。
40代のうちは仕事で収入を得ている人が多いだろう。だが、60、70代ともなると必ずしも仕事による収入が得られるわけではない。もちろん年金はあるだろうが、現在の支給が65歳から。現在の40代がその年齢になって確実に支給される保証はない。だからこそ働けるいまのうちに、老後に備えた蓄えをしておく必要がある。

一人でもしっかりと生きていこう

今や社会問題となっている孤独死。地域や家族とコミュニケーションを取って、自分が孤独死になるリスクを減らすことが大切と言えます。また、身内の孤独死を防ぐためにも、行政が行っている訪問サービスの利用も検討することです。
一人で暮らしていくことが珍しくなくなった現代で、しっかりと生きていけるように準備や対策はきちんとしておきましょう!

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