故・金正日総書記の後継者として第2代最高指導者の地位についた金正恩（キム・ジョンウン）氏。

少年時代から後先考えずに行動する乱暴な性格だったと言われている同氏は、父親・金正日氏の死後、自身の側近である朝鮮労働党幹部を様々な理由で粛清し葬ってきました。

その人数は100人とも言われています。

このページでは、金正恩氏が過去に血の粛清として処刑してきた側近たちを知れべてまとめてみました。

2017年2月14日、韓国のメディアは、2017年2月13日午前9時ごろ、北朝鮮の金正男氏がマレーシアのクアラルンプール空港で2人の女性に毒針を刺されて殺害されたと報じました。

北朝鮮の指導者で労働委員長である異母弟の金正恩氏によって暗殺されたと見られると報道しています。

殺害に関与した女性2人も死亡しているとの情報もあり、関係筋の情報では口封じのためではないかと分析しているそうです。

金正男氏の息子である 金漢率(キム ハンソル)氏の行方も分かっておらず、次の暗殺のターゲットになっているのではないかと推測する情報も出回っています。

金正男氏は、父、故金正日氏の直系の長男であり、今後、反金正恩氏の勢力に指導者として担がれる可能性もあることから今回殺害に至ったのではないかとみられています。

これが事実ならば、権力維持のためなら兄弟をも殺害してしまう金正恩氏は、相当冷酷非道な人物であると言えそうですね。北朝鮮怖過ぎですね。

こちらはマレーシアのローカルメディアがリリースした金正男氏を暗殺したとされる女スパイの1人の監視カメラで撮影された顔画像。

一説には暗殺者とも言われています。

北朝鮮の指導者である金正恩氏は、これまでにも、北朝鮮の朝鮮労働党幹部など北朝鮮の要職にあった人物を100人以上処刑してきました。

過去に金正恩氏の命令により処刑された人物の中から重要な地位にいた方をご紹介したいと思います!

張成沢氏は、北朝鮮開国の祖、金日成氏の娘、金正日氏の妹の金敬姫氏を妻とし、金正日氏の側近を務めました。金正恩氏の義理の叔父に当たる人物です。

金正恩氏が父、金正日氏の死後、北朝鮮の最高指導者としてその地位を世襲した後の、実質的なNO2の人物と見られていました。

彼は、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会副委員長、朝鮮労働党中央委員会政治局員、朝鮮労働党中央軍事委員会委員、朝鮮労働党中央委員会行政部長などの要職を務めました。

張成沢氏は、張氏の部下２人が、党行政部の利権を軍に回すようにとの金正恩氏から指示を受けましたが、張氏がすぐに実行しなかったことが原因で処刑されました。

名目上の理由は「分派策動で自分の勢力を拡張し、あえて党に挑戦する危険極まりない反党・反革命的分派事件が発生した」として、彼が金正恩体制を転覆させようとしている、いわゆる国家転覆を画策したとして2013年12月12日に処刑されました。

その後、本人だけではなく直系親族全員が処刑されています。

玄永哲氏は、北朝鮮の軍人で、軍の序列2位にあたる人物で、朝鮮労働党の要職も歴任するなど陸軍大将(国防相)として金正恩の軍掌握を補佐していました。

玄永哲氏は、金正恩氏に対して面と向かって「やっぱり若い人は、政治できないよね」と批判し、金正恩第1書記に不満を示し数回にわたり指示に従わなかったほか、軍訓練幹部大会で居眠りしたのが理由で2015年4月30日に処刑されました。名目上の処刑理由は「反逆罪」でした。

金勇進氏は、金日成総合大学の副総長を務めた後、教育相に就任し、科学技術担当副首相を務めていました。

朝鮮労働党大会に出席した折、金正恩氏の演説中に眼鏡を拭いた行為などが不敬な行為であるとして金正恩氏に指摘され、最高人民会議に出席した時には座る姿勢が悪いとして問題視され、これらが原因で処刑されました。

名目的な理由は「反党、反革命分子、現代版分派分子である」と判断され処刑されたと言われています。

時期は2016年7月初旬頃とされています。しかし、実際に処刑が行われたかどうかの公式発表はされていません。

自らの側近である朝鮮労働党幹部を次々に粛清し殺害してきた金正恩最高指導者。

ある時は自身の権力を脅かす恐れのある人物を殺害し、ある時は自身の権力誇示の為、またある時は自身の政策への反発を理由に殺害。

ついには、実兄である金正男氏さえも暗殺を命じたとされる金正恩。

父親もこの世を去った彼は、周囲の人物すべてが自身の権力の座、命を狙う敵に思えるのでしょうか。

金正恩政権下では今後も多くの血が流されるのかもしれませんね。