現在の天皇である今上天皇・明仁様(82)が天皇の地位を息子である皇太子・徳仁様にお譲りになり、生前退位をする意向であると宮内庁関係者に述べたとして議論を呼んでいます。

天皇陛下が生前退位をされたい理由は何なのでしょうか？
また、生前退位をされた場合次の年号は一体どのようなものになるのでしょうか？

画像は幼少時の明仁様。
明仁様は昭和天皇である裕仁(ひろひと)様の第五子としてお生まれになった方で、皇室典範規定に則り18歳で成人した天皇様です。

五人目にしてようやく誕生した男子であったせいか世間には大変喜ばれ、生誕時は『皇太子さまお生れなつた（作詞：北原白秋 / 作曲：中山晋平）』という歌が出来るほどの騒ぎになったんだそう。

小さい頃はかなりお転婆で、臣下の子ども達と一緒にトンボを揚げて食べたり蚊取り線香の容器をスタンプにしてノートに押したりしていたんだとか…かなりワイルドな子供だったんですね。

様々なご公務をこなし天皇陛下として知らない日本人はいないであろう存在の明仁様ですが、実は明仁様を『魚類学者』として知っている外国人も多数存在します。

明仁様は日本魚類学会に属し、ハゼの分類学的研究者として各国で評価されているのです。
28もの論文を学会に発表した他、1992年には科学誌『Science』に論文を寄稿するなど様々な業績を上げているんだとか…。

そんな明仁様の活動を評し、世界各国は明仁様を
・動物学会名誉会員(イギリス)
・リサーチ・アソシエート(オーストラリア博物館)
・自然科学研究所永久名誉会員(アルゼンチン)
・スウェーデンウプサラ大学名誉学員(スウェーデン)
としています。

更に、長年ハゼの研究で業績を残した明仁様を称え新種のハゼの命名に明仁様の名前が献名された事もありました。

常にお祝いムードで進められるイメージのある皇族の結婚ですが、明仁様は実は皇室や旧華族の大反対を乗り越えて皇后である美智子さまと結ばれた過去を持っています。

反対理由はズバリ『平民だから。』
二人は趣味であるテニスを通じて知り合い仲を深めていたものの、結婚の意思を伝えたところ皇室や旧華族の女性達が猛反対。
「東宮様のご縁談について、平民からとは怪しからん」とまで言われ、結婚までには大変な苦労があったと言われています。

ただの女性が天皇陛下のお嫁さんになるなんて夢のある話ですね。

天皇陛下とは、日本の象徴として存在し続けている皇族の事。
その歴史は大変古く、基準や根拠が厳格に審査されるあのギネスブックにも『世界最古の皇族』として記載されています。
種類としては『皇帝』にあたる世界唯一の存在なんです。

ちなみに、皇帝と同じように国家の最高権力者として王様や首相、大統領などが挙げられますが…権威がある順にそれらを並べてみるとこんな感じ。
皇帝≧法王＞王様＞大統領＞首相
イギリス女王が上座を譲り、アメリカ大統領が最敬礼で天皇陛下を迎える理由も頷けますね。

天皇陛下の仕事は大きく分けて七つ。
・宮中祭祀(国や国民の繁栄などを願って行われる神事の進行。年30回程度)
・ご会見やご引見(日本にやって来た大統領や首相などと面会する。年100件程度)
・拝謁(勲章の受章者やオリンピック選手など功績を残した人との面会)
・ご会釈(毎週土曜。皇居や赤坂御用地の手入れを行うボランティアとの会見)
・ご執務(公布される法案書類への署名・押印や電報の作成。年1000件以上)
・ご訪問(国際親善のための各国訪問。年56ヶ国程度)
・稲作(言葉通り。伝統として種まきから収穫までを自ら行う。)

かなりの量のお仕事を毎日分刻みで行われています。
勤務実態はブラック企業もビックリのようで…。

天皇陛下の公務予定を記した宮内庁のHPによると、なんと天皇陛下の休日は基本的に土日のどちらかのみでした！
しかも一日当たりの公務時間もかなり長く、莫大な量の書類に目を通すため『ご執務』が深夜にまで及ぶことも珍しくないそうで…。
さらに、年に30日近くの休日出勤までしているそう。

もちろん休日手当も残業手当も定年もありません。
これを現在82歳のおじいちゃんがやっています。
噂によると明仁様の平均睡眠時間は一日三～四時間だそうですが…あまりにもハードすぎる業務内容ですね。
天皇陛下に労働基準法は採用されないのでしょうか？

生前退位とは、言葉通り生きている内に天皇陛下の地位を辞する事。
通常天皇陛下の地位は現天皇が死亡して初めて皇太子に譲られるのですが、生前退位を行うと生きているうちに天皇の地位を皇太子に譲ることが可能になります。

前回の譲位は1817年に行われたそうなので、今回明仁様が生前退位を行うと実に200年ぶりの譲位となりますね。

明仁様は2011年に肺炎に罹り東大病院に入院していた他、2012年には狭心症となって冠動脈のバイパス手術を受けるなど現在お体の様子が優れません。
あまりの体調不良で公務を欠席せざるを得ず、2009年以降からは公務の見直しをしなければならない程となっていました。

「憲法に定められた象徴としての務めを十分に果たせる者が天皇の位にあるべきだ」
と自らの考えを述べた事のある明仁様。
公務量の見直しを行ったり公務に代理の人間を立てるよりは生前退位を行って今のうちに仕事を皇太子に引き継いでおきたいのかもしれませんね。

気になる新しい年号についてですが、まだ全く予想がつけられていません。
ですが、天皇陛下の数年後の退位が視野に入っている以上既に関係者による検討が始められているかもしれませんね。

昭和の時は『平成』の他、『正化』『修文』という年号が最後まで候補に残っていました。
しかしこれらの候補は検討の結果、略称にした時平成以外の物はイニシャルが昭和と同じ『S』になってしまうとして却下されたそう。
このことから新しい年号は最近の年号である『明治のM』『昭和のS』『平成のH』以外のイニシャルが頭文字になるものではないか考えられています。

64年続いた昭和に対し、30年ほどになるかもしれない平成の時代。
やや短い気もしますが、新しい年号がちょっとだけ楽しみですね。