古坂大魔王…じゃなかった、ピコ太郎がYoutubeに動画を投稿し世界的に人気となったPPAP（ペンパイナッポーアッポーペン）。

本人もしくは、CDの発売元であるエイベックスあたりが商標出願し商標登録されているかと思いきや…

なんと、無関係の企業によって商標出願がすでにされている事が判明！

なんだか怪しいこの企業の名前や社長は一体誰なのでしょうか！？

商法登録出願をつぶやくTwitterボット『商標速報bot』が2016年11月28日に、ある会社が『PPAP』を商標出願していた事をつぶやき、話題となりました。

驚くべきことに、『PPAP』以外にも『ペンパイナッポーアッポーペン』『APPLE PEN』など関連しそうな商標を片っ端から商標出願しているのです。

なんという不届きな企業。

会社名と代表は一体誰なのでしょうか！？

商標botのTweetによれば、ピコ太郎の『PPAP』を商標出願した会社の名前は『ベストライセンス株式会社』

代表は上田育弘氏という人物。

明らかに炎上や批判覚悟の商標申請です。
一体、この会社と代表はどんな人物なのでしょうか！？

“例の大阪の会社”と言われているだけあって、住所は大阪にある会社のようです。

ベストライセンス株式会社は、上田育弘氏の住所と同じ場所にあり、代表取締役という肩書かは不明ですが、代表は上田育弘氏のようです。

ベストライセンス社と、代表の上田育弘氏は、流行語や流行った言葉を片っ端から商標出願するその道では有名な『商標ゴロ』や『商標トロール』と呼ばれれる、商標を事前に申請し、本来取得するべき企業に高額で売りつける輩である事ようなのです。

ネット民に「やっぱりここか」と言われるくらいに有名な商標ゴロのベストライセンス株式会社とその代表。

しかし、ずいぶんと図太い神経をしているものです。

一部のネット掲示板の声では「代表は日本人なのか！？」「上田育弘氏は中国籍か韓国籍じゃないのか！？」といった声も書き込まれていました。

出願内容を調べてみると、ベストライセンス社は、エイベックス社よりも9日先行して商標の出願をしていることが分かりました。

うーん、なんというフットワークの軽さ（悪い意味で）



■ベストライセンス株式会社の出願内容

商標①：ＰＰＡＰ（標準文字）
出願番号：商願2016－108551
出願日：平成28年（2016）10月5日
商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務：
第9類「レコード，インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル」他、全8区分


■エイベックス・グループ・ホールディングスの出願内容

商標②ＰＰＡＰ（標準文字）
出願番号：商願2016－112676
出願日：平成28年（2016）10月14日
商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務：
第9類「レコード，録音済みコンパクトディスク，インターネットを利用して受信し及び保存することができる音声・音楽ファイル」他、全13区分

ベストライセンス株式会社の2016年7月時点での商標出願件数は、なんと8682件で、公開商法広報の出願人ランキングでは堂々の1位。

代表と推測される上田育弘氏も3041件で、公開商法広報 出願人ランキングで2位に輝いています。

ちなみに、2016年7月1日時点での公開商標広報の2016年の出願数のランキングは下記の通り。

こうしてみると、3位以下を大きく引き離してケタが1個上であることがわかります。



1位：ベストライセンス株式会社（8682件）

2位：上田育弘（3041件）

3位：株式会社サンリオ（526件）

4位：株式会社資生堂（333件）


5位：株式会社コーセー（248件）

・STAP細胞はあります

・ラブライブ

・あまちゃん

・じぇじぇ

・民進党

・北海道新幹線

・電子申告

・終活

・PPAP

・ペンパイナッポーアッポーペン

・APPLE

・APPLE・PEN

・PINEAPPLE・PEN

・EN・PINEAPPLE・APPLE・PEN


…などなど

商標登録の原則は、先に出願した人に権利が認められる、いわゆる「早い者勝ち」が原則となっています。

ベストライセンス社とエイベックスの商標の出願内容は、商標の名前も、指定商品又は指定役務も、多くの部分が似通っており、この場合、先に出願したベストライセンス社が登録されてしまうと、エイベックスによる出願申請は受理されなくなってしまいます。

しかしながら、先に商標を出願されたからといって、ベストライセンス社の商標出願が登録される可能性は極めて低いと考えられます。

理由は、小坂大魔王…じゃなかったピコ太郎んもPPAPのYouTubeでの再生回数や、テレビでの露出、知名度と、最初の出願人であるベストライセンス社の過去の出願経緯などをかんがみた場合、ベストライセンス社の出願が登録されるのは難しいでしょう。

ところで、数々の流行語を片っ端から商標出願しているベストライセンス社は、出願はするものの、申請料を払っていないそうなのです。

マジでふとどきっす…この会社（＞＜）

商標の出願には、印紙代だけで1件あたり1万2000円の費用が掛かります。
出願代行の会社を使えば、さらに手数料が数万円掛り、出願だけでも結構お金がかかるのです。

会社名義と個人名義で実に1万件以上の商標出願費用を全て払うと、億を超える費用が掛かるのです。

ここで気になるのは、ベストライセンス社と上田育弘氏がPPAP含め、これまでに出願した商標ですが、申請料を支払わなくても申請を破棄されないのでしょうか！？

商標登録にかかる申請費用は、支払わない場合は半年ほどで出願が取り消されますが、この期間は「審査待ち」つまり保留のような形になります。

商標登録は原則「早い者勝ち」なので「審査待ち」の間は2番目の出願者であるエイベックスの商標登録審査もされないため、費用を支払わなくても、その間にPPAPの人気を見守り、申請をキャンセルするか、支払うかをじっくる考えることができてしまうのです。

うう…きたないぞ！！！

ネットの声で多かったのは、やはり現行の「早い者勝ち」という商標出願と登録の法整備の問題。

ここが改善されない限り、結局はベストライセンス社だけでなく、同様の商標ゴロ、商標トロールと呼ばれる輩によって、本来出願すべき者の手に商標登録が許諾されなくなってしまいます。

今回の無関係な企業によるPPAPの商標出願問題ですが、もちろん無関係なのに商標を出願した会社が“違法ではないが不適切”と言わざるを得ませんが、エイベックス社も、即座に商標出願しなかった事に、脇の甘さ、油断があったように思います

性善説を信じたいのですが、それでもズルイ人間もいるもの。

是非、きちんと取るべき商標・権利は速めに申請し、自身の権利を守って欲しいものです。