東京大学が来年の4月から導入する女子学生の家賃優遇制度について、ネット上では批判の声が相次いでいます。
東大はなぜ男女差別ともとれるこのような制度を導入する事に決めたのでしょうか？

新制度の詳細や制度の導入理由、ネット上の声などをまとめています。

ネット上で大きな話題となり、男女差別・男性差別だとして大きな波紋を呼んでいるのは東京大学が来年4月からスタートさせる“女子学生の家賃補助制度”。
現在この新制度についてネット上やTwitter上が紛糾状態となっており、導入を決めた東大に不満の声が上がっています。

2017年4月からスタートされる“女子学生への家賃補助制度”とは、言葉の通りこれから東大に入学する新入生のうち、“女子学生”にのみ毎月家賃として3万円を2年間支給するという制度であり、条件にさえ当てはまれば女子学生1人当たり総額72万円の補助を受けられる制度となっています。

この制度に保護者の所得制限はなく、保護者がどれだけ高収入であっても家賃補助を受けることが可能です。

この制度を受ける条件として設けられている条件は
・東京大学教養学部にこれから入学する女子学生である事
・自宅(実家)から駒場キャンパスへ通学しようとした場合、通学時間が90分を超えること
の2つのみ。

これらの条件が揃った女子学生は学校認定のマンションを借りる場合毎月3万円を補助される事となり、非常にお得な値段で大学周辺のマンションに住む事が可能となります。

学校指定のマンションは全部で100室と人数制限がつくようですが、それら100室は全て保護者も宿泊可能なほど大きめな部屋であり、安全性・耐震性共に優秀なマンションばかりのようです。

今回の制度が導入された場合、対象に当てはまった女子学生のうち100人のが総額72万円もの補助を受けることが可能です。
希望者が100人以上になった場合の選考基準ですが、そういった詳細は平成29年1月中旬頃に公開する予定なのだそう。

国を代表とするトップ大学の東大がこういった制度を導入する理由として、大学側は「女子学生の志願者を増加させるため」と述べました。
2016年現在の東大生は男子学生が5050人、女子学生が1220人と圧倒的に男子比率が高く、女性率が24％と男女比が非常に偏っている状態にあります。

この事態を受け、大学側は『多様な人材による研究や教育力の向上のため』女子受験生への新しいアピール活動を行うことにしたのだそう。

地方説明会にて、女性の子どもを持つ保護者から娘の安全な住居について質問が挙がる事が多かったのもこの制度の導入理由なのだとか。

現在東京大学には豊島国際学生宿舎と追分国際学生宿舎の2寮の学生寮が存在しておりますが、豊島国際学生宿舎は最寄り駅まで徒歩40分と交通の便が非常に悪く、追分国際学生宿舎は男女比が男子学生114人、女子学生36名と安全面に不安が残る事から保護者に人気は無いようです。

女子学生優遇制度導入の理由に対し、今年5月に発生した『東京大学誕生日研究会』による女子学生集団性的暴行事件の発生を推測に上げるネット民も数多く出てきています。

確かに今年に起きたこの事件で女子学生の東大に対するイメージは急降下しており、受験をためらう女子高校生や出願を躊躇する保護者は多そうですね。

これまで東大OBの女子高訪問や東京大学男女共同参画室による『女子高校生のための東大説明会』など女子高校生向けのイベントを数多く開催し、女子受験生の増加に努めたにもかかわらず、それら全てで結果を出すことがほとんどできなかった東京大学。

ネット上では批判の嵐となっている今回の新制度ですが、この制度の導入で目標である女子新入生の獲得を成功させる事が出来るのでしょうか？
来年度の新入生男女比に期待です。