「病院廃止で市民が健康に」発言で森田洋之医師が炎上!「夕張市の統計の罠」
出典: http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/007/228/58/1/DSC02796.jpg
経営破たんした夕張市で、病院が廃止されたのに死亡率が減ったと話す森田医師の動画が大炎上!
2007年に経済破綻した北海道、夕張市。今、「大きな病院がなくなったらかえって夕張市民が健康になった」と話す医者があらわれたというブログ記事が話題です。
当時は「個人の自己破産ならともかく、自治体が破産だなんて!」とショックでしたね。この夕張市は財政難のため、公共サービスの縮小を余儀なくされ、市立病院も廃止、診療所での診察に変わりました。
「破産した夕張市、病院を廃止してから市民が健康に」とのブログ記事がプチ炎上
主張しているのは、ブログの作者ではなく、森田洋之さんという内科医
正確に説明すると、まず「ビデオニュース・ドットコム」が作成した「森田さんのインタビュー動画」を、ほかのいくつかのブログが取り上げてインタビュー内容を書いたのが発端です。
しかし、リツイートされるにしたがい、ニュース元が不明になり、まるでブログライターが考えた事のように扱われています。
この「破たん後、夕張市民が健康になった」という主張は、森田洋之という人が主張していることです。
「夕張市の市民が健康になった」と話しているのは現役の医者
破綻後の夕張市で、夕張市立診療所の所長の内科医をしていたという、森田洋之さん。
この森田さんの動画を紹介するブログがプチ炎上しています。
大方の意見は「こんなの数字のマジックだろ?」というもの。
それでは、内科医で南日本ヘルスリサーチラボという研究所の所長、の森田さんは、何を話しているのでしょうか?
インタビュー動画で、意外な夕張市の医療の実態を話す森田さん
「夕張では、皆さんが思うような悲惨なことは全くない」と森田さん
救急車が来るまでの時間だけとっても夕張市の人は大変そうです。破綻前の2倍かかるそうです。しかし、この森田さんによると、夕張市では、破綻後、医療が縮小されたにもかかわらず、
死亡率
死亡者数
これらが、ほぼ横ばいとのこと。
ガンが1位など、病気の比率は変わらないが、死亡率はむしろ下がってしまった、人々が困っていない、だそうです。
みんなが終末医療の意識を高め、医療システムに頼るのでなく、在宅医療に切り替えたから、と言っています。
動画をちょっと聞いただけで誰でも「あれれ?」とおかしさがわかる
あらら、ここまで聞いても「なんかおかしいな」と思いますね。それから、こんなことも言っています。
産業化が進んで、近隣の協力が減った現代だが、それが巻き戻って夕張に病院がないおかげで近隣が協力するようになった。
病院での治療や、学校での教育を「外注」と言っています。どうやら本来は、「外注するのではなく、家内制手工業でやるべき」というお考えのようですが……。
これは(笑)
現代社会では医学も社会組織も発達しているので、昔は家で細々とやっていた家族の看病などが、最先端の医療にお願いできるようになっているんですよね。
このお医者さん、時代と逆行した考えをされているように思えますね。
動画では、数字を出して説得力を高めようとしているものの、逆効果では
これが森田洋之さんが用意したデータ。関係ないですけど、人口少ないですね。
夕張市の面積は 763.07平方キロメートル
人口 8,949人
世帯 5,179世帯
医療 私立病院廃止 診療所に再編
病床数171 → 19
救急車到着時間 2006年【38.7分】
→ 2010年【67.2分】
夕張市の救急車、1時間以上かかるって、それ救急車じゃないじゃん……
この森田さんのデータ、最後の「救急車到着時間」のところにびっくりします。夕張市が破綻した後、到着時間が2倍にものびています。
しかし森田さん、「救急車の到着に1時間以上かかることになってしまったので、市民の健康が心配だ」ということを言いたいのではないようです。司会者の人まで「ありえない」と言っているのに、救急車が1時間以上かかることを全然心配していない様子。
「死亡率が減ったんですよ」
と得意げに語ります。理由はさきほども書いた「みんなが意識を高めたから」のようです。
救急車がすぐ来ないから、健康に気を付けるようになったとか、自宅でなんとか対処するようになったとか、そういうことのようです。
日本って確か、先進国じゃなかったでしたっけ……。
夕張市の健康宣言に疑問の声、コテンパンにされるブログと動画
ここまで聞いて、違和感ありまくりです。
死亡率低下も、そうじゃなくて「大病院がなくなって仕方なく、市外の病院に入院し、結果として外で亡くなっているからじゃ」ないでしょうか?
意識を高めたといっても、「大きい病院がないんだから仕方なく、なんとかみんなで力を合わせて工夫していくしかない。東京にでも暮らしていれば、すぐに良い病院にかかれるのに」と悲しそうに過ごしているだけなのではないでしょうか?
記事の文言がなかなか怖かった。“夕張では医療崩壊によって終末医療を病院に任せられなくなった結果、在宅で療養する患者を隣近所が協力して面倒を見るようになり、地域の繋がりが強まる効果も生んだ。結果的に自宅で死を迎えられる人が増えたと、森田氏は言う。”
— こなたま(CV:渡辺久美子) (@MyoyoShinnyo) 2016年7月24日
それをポジティブに捉えるのか……
このtweetの人も、終末医療を家庭が担うしかないという結果、それをまるで地域のつながりを生んだ良いことのように言う言葉が怖いと書いていますね。
「終末医療の担い手が選べない」のと、「地域のつながりを取り戻す」のと、まったく違う次元の話ですよね。
“夕張では財政破綻という最悪の理由から、市民は否が応にも医療サービスの大幅な低下を受け入れざるを得なかった。しかし、その結果、市民の健康に対する意識が上がり、かえって市民が元気になるという、予期せぬ効果が生まれた。”
— こなたま(CV:渡辺久美子) (@MyoyoShinnyo) 2016年7月24日
セーフティの崩壊で最底辺の弱者は死んで物言わなくなるマジック!
”セーフティの崩壊で最底辺の弱者は死んで物言わなくなるマジック!”
これもあるような気がしますね。
病気が重くなり亡くなった方は文句が言えませんから。
夕張市の市民が健康になったというデータ、数字のマジックの無茶な解釈か?
全米ライフル協会の「統計の魔術」と同じという意見も
アメリカでは、基準を満たせば一般市民でも銃を持っていいことになっていますよね。ずっと悲惨な銃撃事件が後を絶たず、死者を増やし続けています。
しかし「全米ライフル協会」という団体があり、もしアメリカ中で銃規制が行われると、ここが儲からなくなってしまうのです。ここは政治家にも太いパイプがあります。これがアメリカが銃規制に踏み切れない理由なのです。
そして、全米ライフル協会は、「銃があったほうが逆に安全」「銃が私たちの命を守ってくれる」と主張しています。正直、銃をなくすと自分たちが儲からないからなのですが、なんとなく説得させられてしまいそうな理屈です。
こういう主張を裏付けるために、偏ったデータや統計結果を見せて、説得しようとするのが、昔からの全米ライフル協会のテクニックなのです。
(数字って、パッと見せられると信じてしまうのですよね)
Twitter民は「森田さんの主張も、この全米ライフル協会と似たような理屈なんじゃないか?」と反論しているのです。
12年間で銃によって殺されたアメリカ人の数はエイズ・戦争・違法薬物の合計死亡者数よりも多い
それでなんで「銃があるほうが安全」というのでしょうね。不思議ですね。
これ、自分の立場に都合よくなるように解釈してるだけでしょ。似たような理屈を言う代表選手が「全米ライフル協会」でね。市民が皆銃を持てば安全になるとか言うのと同じ理屈よ。>
— タクラミックス (@takuramix) 2016年7月25日
病院廃止で市民が健康に 夕張市に学ぶこと #BLOGOS https://t.co/GrCxQmROSY
なるほどね~。このたとえ、うまいですね。tweetには続きがあります。
病気の人が夕張から追い出されただけ!死亡率も患者数も減るのは当然!
承前)不健康な人をその地域から追い出す効果が最も大きいと考えるべきで、市民の健康状態が改善したと考えるのは危険。ここから先、必要な診察も受けられず、病気の発見が遅れる市民が増える可能性がある。しかも彼らは夕張市の外で治療を受け、最期を迎えるだろうから数字に出てこない。
— タクラミックス (@takuramix) 2016年7月25日
”不健康な人をその地域から追い出す効果が最も大きいと考えるべきで、市民の健康状態が改善したと考えるのは危険。ここから先、必要な診察も受けられず、病気の発見が遅れる市民が増える可能性がある。しかも彼らは夕張市の外で治療を受け、最期を迎えるだろうから数字に出てこない。”
必要な診療が受けられずに病気の発見が遅れる、これはもうこれまでにもあったのではないでしょうか。何しろ、電話をしてから救急車が病院に運んでくれるまで1時間以上かかりますからね。
その間に手遅れになった人がゼロなわけないですよね。
ほんとうにすべての人を考慮に入れたのか?という疑問
病院廃止で市民が健康に 夕張市に学ぶこと #BLOGOS https://t.co/MFjztKx9WU
— 中村 幸嗣 (@yukitsugu1963) 2016年7月24日
「早く死んだ人(増加要因)と、他の地域で死んだ人(減少要因)が差し引かれてたという可能性」
数字のマジック
医療が必要な人はすでに移動
救急は無視
その結果
それも民意
数える前に死んだ人、よそに行った人が数えられていたのかは気になりますね。
そうはいっても、夕張市民の健康のためにがんばってきた森田洋之さん
夕張市の診療所では、おばあちゃんが待っていた
今は研究所の所長という肩書ですが、夕張市の診療所では、医師として活躍していた森田さん。
地元の人に親しまれていたようです。
ガンの死亡率の低下は、ピロリ菌除去などの努力もあった
市民病院が閉鎖され、そのあとを受けたのは「夕張希望の杜」という診療所。ここの所長が森田さんでした。(今は研究所の活動のみ)
大病院がない地域であるのを念頭に”病気の予防と、生活を「支える医療」”を目指したそうです。
総合病院から退院して、慢性的な症状のある患者さんが急性期に移行するのを防ぐ医療に尽力していました。これは、救急車が遅いからですよね。
市民のほうも、ガンなど深刻な病気の予防に努めはじめていました。
”「ピロリ除菌での胃がん予防」や「がん検診を通じたがん全般の早期発見」”といった努力により、ガンの死亡率が低下したという事実も、見逃してはいけないようです。
引用させたいただいた記事にも具体的な数字が載っていなかったのが残念ですが、いちがいに「森田さんが都合よく事実を曲げて話している」とは言えないかもしれませんね。
(引用はhttp://style.nikkei.com/article/DGXBZO38850780W2A210C1000000より)
本当は、医療崩壊をすすめたいわけではない
話題になっている動画は、7分ほどの長さです。実は森田さんは過去の活動の中でも「本当は、医療崩壊をすすめたいわけではない」と言っています。
医者ですし、夕張の市民を直接診察していたのですから、言葉通りに「どんどん医療崩壊すればいいんだ」と思っているとは、確かに思えません。
こんな激しい言葉を使う理由は、注目を集めて問題提起するためでしょう。でも、もう少しキャッチフレーズは考えてほしいですね。
そもそも自分が誤解されてしまいますし。
問題は、出回っているのが7分のダイジェスト版だということ!なぜダイジェスト版?
動画の一部だけを見て、反発する人がよけい増えた
問題の動画、画面右上にもバーンとくっ付けられているように「ダイジェスト版」です。
元のサイト「ニュース専門ネット局 ビデオニュース・ドットコム」を探してもノーカット版が見つかりません。どうやらこのサイトは会員制で、有料会員になると見れるらしいです。でもちょっと思想の偏りを感じるサイトだと感じたので、私は会員登録はしていないのです。すみません。
有料会員を呼ぶためとはいえ、インタビューの一部を流すダイジェスト版が、こんなに批判を呼ぶものに仕上がってしまっているのは、なんだか森田さんがかわいそうになってきました。
「続きは有料登録で」この動画の編集は、いくらなんでもかわいそう?
「市民病院がなくなって、死亡率がへっちゃったんですよ~」
みたいな能天気な言い方にしか聞こえない部分だけがクローズアップされているかもしれないですよね。
ただ、有料会員でないと全体が見られないので、ほとんどの人が誤解したままで騒ぎも終わってしまいそう。
【ダイジェスト】森田洋之氏:病院がなくなったら市民が健康になった夕張から学ぶべきこと - YouTube
出典:YouTube
こちらが問題の動画。これでは偏った内容しか伝わってこない。
過去の講演では、森田さんは何を主張しているか?
南日本ヘルスリサーチラボには、立派なホームページがあり、過去の講演の記録が残っています。
それを見ると、そう荒唐無稽な話でもなく、「末期医療を軽くしたい」「病気が重くなるまえに未然に防ぎたい」という考えが伝わるものでした。
なんと講演の記録を見て分かったのですが、医学部の前に経済学部を卒業していたのだそうです。数字を見せると、人々が納得することはよく知っていたのですね。
ただ、亡くなった人や夕張市を出て行った人まで調査していないかもな、とは私も思いました。
ここらへんの詰めが甘かったのかもしれませんね。
夕張市の地元の人の意見や実態
しかし日本中の過疎地でも「ガン患者数」「死亡者数」はそりゃ減ってますよね
病院がなくなったら市民が健康になった夕張から学ぶべきことへのyahoo user e5f95さんのコメント
— Cook⚡(「宿題ドラゴン」ピン留め中) (@CookDrake) 2016年7月25日
“順調に人口自然減が進んでいる地域を
医療の理想郷のように言われてもなあWWW”https://t.co/xH88hA7bRs
ほんそれですわ~。
そういえば、夕張市の人口がとても少なかったですね。全国で過疎化が進んでいますし、日本の人口がそもそも減っていますよね。
”順調に人口自然減少が進んでいる地域を医療の理想郷のように言われてもなあww”
たしかに。
支える医療研究所?夕張市民は村上医師から何を支えられたでしょう。夕張市に来る前に出て行ってくれと叫んだ市長が言ったそうです。藤倉市長も「もう夕張から出て行って」と言ったみたいです。それが夕張市市民代表の本当の声です。老害という言葉がありますが、害虫です。
— 江口孝則 (@26882689) 2011年9月29日
別のお医者さんも夕張市民にボロクソいわれています。
夕張市だけじゃない!変な医者がインターネットに大量発生、情報を見極める目を持とう!
インターネット社会が発達し、SNSで個人が情報発信できるようになりました。良い面と悪い面があるものですが、医師免許を持ったれっきとした医者がえらいことを伝搬し、死者がでる騒ぎになっています。
今回とりあげた、森田さんは真面目なほうだと思います。(数字はちゃんと正確に調べてほしいけど)
医者なのに「医者に殺されるな」という本を書き、信者が次々とガンで死亡
最近「医者に殺されるな」という本が話題になりました。ガンで亡くなった川島なお美さんもこの著者に相談をして、ガン放置をすすめられたそうです。
この本にはがん治療を拒否したくなるようなことが書かれているそうで、川島なお美さんの死期が早まったのも、これが原因だと言われています。
有名人だけでなく、一般の人で何もしらずにこれを読み、がん治療の機会を失って亡くなった方も増えていて社会問題化しています。
精神科医がみずから「キチガイ医」と自称
ある精神科医は、みずからを「キチガイ医」と自称し広く使われている向精神薬を使わないようにすすめています。
こちらも、主治医の判断なしで突然、向精神薬をストップしてしまうととても危険です。
信者の方はそれでも信じて、オカルトな療法を実践しているようです。
情報はよく見極めて!特に医療や健康の情報は命にかかわります!
今回、夕張市の件で問題だと思ったのは「意見が一方向に流れてしまうこと」です。
森田医師が夕張市民の医療のために尽力したのは、良いことだったのですが、この経験や統計資料をいい加減に使ったのではないかな、とは思います。
ネット民もこの点をすぐ見破り、プチ炎上となったわけです。
ただ、ガンを予防した体験期などはおおいに参考になるわけで、一番よくないのは、情報を一方向だけに偏ってみてしまうことではないか、と思うのです。
特に医療に関することは、命にかかわります。向精神薬の使い方は、間違えると本人の自殺など取り返しのつかない事件につながります。
(向精神薬はたんなる薬、それを自己流で使うのがいけないのです)
常日頃から、情報を見極める目を身につけるようにしましょう!
出典:【医療】2016年4月から、紹介状なしで大学病院の診察を受けると診察料が割高になるって知ってた? | Pixls [ピクルス]
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肩書は、
元夕張市立診療所の所長
南日本ヘルスリサーチラボ代表
だそうです。今は鹿児島市在住で、出身地は横浜だそうです。