「日本人より折り方が上手！」「というか私折り方忘れてる」と話題のオバマ大統領が自ら折ったという折り鶴が日本人を感動させています。この折り鶴は、2016年5月27日に広島の原爆資料館の見学中に、広島の中学生に渡されました。

あのテレビ東京でさえ生中継をしたという、オバマ大統領の広島訪問、そして原爆資料館見学。被災者に献花もしました。

テレビ東京が中継したという点においても歴史的瞬間の証拠であると言われています！

第二次大戦の終わりにアメリカが広島に落とした原子爆弾で、その年の終わりまでに14万人が亡くなったと言われています。悲惨な原子爆弾の被爆地には、これまで爆弾を落とした側のアメリカの大統領は訪れたことがありませんでした。

今回、オバマ大統領の広島訪問はその意味で歴史的瞬間と言われています。

オバマ大統領というのは、アメリカ合衆国の第44代大統領です。アメリカ合衆国は、肌の色による人種差別がいちじるしい国ですが、その国初の黒人（アフリカ系アメリカ人）大統領です。

また、2009年のチェコ共和国での「プラハ演説」では、

”核兵器のない世界の平和と安全を追求する決意”

を明言し、国際社会へも「核なき世界」への働きかけを続け、2009年にノーベル平和賞を受賞しています。

政治家がきまぐれで急にこんな大きい事を決めるわけはないでしょうし、以前から核兵器廃絶を訴えていたオバマ大統領ですから準備はしていたのでしょう。

しかしアメリカ国内では、いまだに「広島に原爆を落としたおかげで第二次世界大戦が終わった。アメリカは良いことをした」と考える人が多いため、この風潮に気を遣わなくてはならない現役大統領にとって、ほんとうに広島を訪れるかどうかの調整は難しかったはずです。

正式にオバマ大統領の広島訪問が決定したとの報道がされたのは、5月10日のことでした。

伊勢志摩サミットが5月26、27日ですから急なイメージがありましたね。

厳重警戒態勢のなか、専用機で降り立ったオバマ大統領。

乗っていた車のドアの厚さも話題になりました。

原爆資料館を訪れて見学、平和公園の原爆慰霊碑に献花をしたあと、予定時間を大幅に上回る時間のスピーチを行いました。

詫びる内容こそなかったものの、具体的で詳細な広島市の原爆による被害状況を描写したあと、世界が力を合わせて平和な世界を作らなくてはならないという内容で、聞いた日本人から感動したという感想も出ました。

生中継では、原爆資料館の中の様子は報道されませんでした。しかし、夜になって資料館を見学中のオバマ大統領の様子が明らかになりました。

広島に到着し、最初に訪れたのが原爆資料館でした。展示物の中でもオバマ大統領が足を止めて見入っていたのが「禎子の折り鶴」という展示物。

被爆による白血病が治ると信じて、12歳の少女、禎子さんが折っていたことから折り鶴が広島での平和のシンボルとなりました。

この展示物を見た後、”実は折り鶴を持ってきました”と話しお付きの人がトレイに乗せた折り鶴を運んできたといいます。

オバマ大統領が折った折り鶴は、出迎えのために居た中学生ふたりにそれぞれ手渡されたそうです。

とても綺麗な出来栄えですが、「手伝ってもらったが自分で折った」と言っていたのだそうです。

禎子さんは、「原爆の子の像」のモデルにもなった少女です。この少女が折り続けたという千羽鶴は広島県民にとってどんな意味があるのでしょうか。

2歳のときの被爆から10年も経って突然、白血病を発症したという禎子さん。入院中に回復を願って折り続けた千羽鶴が、広島の平和の象徴とされています。原爆資料館にはこの禎子さんが折った折り鶴が展示されています。

オバマ大統領が見ていた展示ですね。

広島県民は、小さいころから何度も折らされて嫌でも折り方を覚えてしまうのだそう。教える方も絶対に忘れてはならないこととしてずっと教え続けているのですね。

今でも原爆の子の像のまわりには、これまで送られた折り鶴や千羽鶴（折り鶴をたくさんつなげたもの）が大切に保管されています。

原爆投下は、1945年のことでした。それから71年経っても広島県のひとびとは記憶が薄れないように日々努力をし、語り継いでいます。

悲惨な戦争を二度と繰り返さないように、広島の悲劇を二度と繰り返さないようにとの願いが込められます。

広島の人が世界と後世に伝えたい平和への願いが「禎子の千羽鶴」の物語に集約されているのですね。

2009年4月のプラハ演説を受け、広島の中学生が「オバマ大統領を広島に呼ぼう」と折り鶴を作っていたそうです。

当時はアメリカの高校にも呼びかけ、2校と少ないのですが答えてくれて折り鶴を折ってくれたそうです。また、長崎でも運動が行われていました。

ただ当時のニュースはほとんどが消されており、その後もどうなったのか今一つわかりません。

この運動がオバマ大統領に何かの形で伝わっていたのではないのかなと思うのですが。

スピーチは生中継で聞けたので、そこでも深く突っ込んだ平和への願いを聞き取って「ひょっとしていい人か？」と思い始めた日本人ですが、折り鶴のエピソードを知り「いい人かよー」と確信したようです。

禎子の千羽鶴とオバマ大統領とのエピソードを知り、翌日から原爆の子の像のまわりに鶴を納める人が後を絶たないそうです。

かならず批判の声は上がるもの。中にはうがった見方をする人も居る「オバマの折り鶴」。

政治家ですし、守りたいのは日本ではなくて自分の国であることも確か。スピーチも以前からオバマ大統領には優秀なスピーチライターが居るといわれています。

素直に喜んでいない人の意見です。

当日は、オバマ大統領は山口県の岩国基地で兵士をねぎらった後、広島に向かったのですが、予定よりも4，5分早く到着していました。

時間が足りないとしたら、その後のスピーチに時間をとりたかったのでしょうか。

主に日本の反応は、鋭い批判はなかったのですが、海外では演説については賛否がわかれたものの、折り鶴に関してはほぼスルーされていました。

そうなることは知っていたはずのオバマ大統領、この折り鶴は心から「ヒバクシャ」を想って作ったのではないかと、個人的にはかんがえています。

千羽鶴で最近気になった出来事といえば「熊本地震での千羽鶴の扱い」でした。送るほうとしては、「せめて応援する気持ちを伝えたい」というつもりだったのでしょう。

しかし受け取った被災者は「邪魔」「こんなもん送るなら食べ物をよこせ」と迷惑がる人も居ました。

避難生活の大変さや、家族を亡くした悲しさは想像しきれないですが、人の善意にまで牙をむくのは賛成できない感じがします。

「折り方を忘れた」「折れない」という人もいるそうです。折り方を覚えましょう。

絵で見ると一番わかりにくいのが、「三角から広げる」ところ。
この絵だと3番、4番、5番、10番、のあたり。

ここでつまずく人も多いのでは。

折った中に指を入れて広げていくのですが、動画の方がわかります。

下の動画では、0：55のあたりから3番の広げるところが見れます。

動画は6分と長いものですが、一度知れば1分もかからずに折ることができるようになります。

この機会に覚えてみては。

オバマ大統領が折った折り鶴の公開も検討されはじめました。見たいですね！