世紀の誤審!?八百長!?村田諒太が判定負けした理由を、エンダム戦の全ラウンド実況から振り返ってみた

WBA会長や仏メディアも判定を疑問視

5月20日に開催されたボクシングWBA世界ミドル級王座決定戦。

元オリンピック金メダリストの村田諒太選手(31・帝拳)と、アッサン・エンダム(31・フランス)の試合結果は、村田選手が終始試合を支配し、4Rにはダウンを奪ったものの、2-1の判定で敗れるという、まさかの結果。

会場にいた観客や解説者、TV中継を見ていた視聴者、そしてネットでも「誤審」「八百長では!?」「審判はいくらで買収された!?」など大混乱。

そこで、村田選手とエンダム選手の『ボクシングWBA世界ミドル級王座決定戦』の全ラウンドの様子を振り返り、何故村田選手が負けてしまったのか、判定理由を探ってみたいと思います。

『WBA世界ミドル級王座決定戦』全ラウンド実況まとめ

それでは、村田選手とエンダム選手がタイトルを掛けて戦った『ボクシングWBA世界ミドル級王座決定戦』の全12ラウンドの様子を振り返ってみましょう。

第1ラウンドは両者様子見

アッサン・エンダム選手の左ジャブに対して、ガードを固めてプレッシャーを掛けて前に出る村田諒太選手。

手数ではアッサン・エンダム選手がやや多く、村田諒太選手はやや積極性に欠ける様子だが、左ジャブを確実にヒット。

しかし残り10秒の場面で、村田諒太選手が強烈な右ストレートを繰り出し、その強烈なパンチに会場がどよめき、湧き上がりました。

第2ラウンドの試合の様子

1R同様に、両手でガードを固めながら、前に出る村田諒太に大して、手数で勝負してくるアッサン・エンダム選手。

村田諒太選手は少ないながらも的確に左のジャブで顔面をとらえていました。

エンダム選手が強烈なラッシュを見せるも、両腕でガードを固め、お返しに強烈なボディを見舞う場面も。

前に出ようとするエンダム選手に対しては、ガードを固めつつ、右を打ち下ろしエンダム選手をふらつかせていました。

しかし、村田選手側も決め手に欠け、たたみかけようとするものの、逆にエンダム選手がガードを固め、村田選手にボディを打ち込み、再び間合いを取らせ、ラウンドは終了。

第3ラウンドの試合の様子

前ラウンド同様に、両手でガードを固めながら前に出てプレッシャーを掛ける村田諒太選手。

軽やかにリングを回り、遠距離から一気に距離を詰めるエンダム選手に対して、ボディで迎撃する村田諒太選手は、その後もパンチを連打するエンダム選手に対して、ガードをしっかりと固め、隙を見て強烈な右ストレートをエンダム選手にヒットさせていました。

序盤のダルい展開に対して、試合が動いたのは第4R、村田諒太選手の右ストレートがアッサン・エンダム選手の顔面にヒットし、ついにダウンを奪いました。

強烈右ストレートで、ガードの上からでも相手をのけぞらせる村田選手。
その後も、右ストレート2発や、左フックでの強烈なボディ。

徐々に打ち合いムードになったところで、カウンター気味に撃った村田選手の右ストレートがエンダム選手の顔面を捉えて、この試合で始めてのダウンを奪いました。

第4ラウンド:村田選手がエンダム選手からダウンを奪う!

村田諒太選手の強烈な右ストレートはアッサン・エンダム選手をガードの上からでものけぞらせる威力。

第4R1分過ぎには、さらに右ストレート2発と左のフックで強烈なボディを入れる村田選手。

エンジンがかかり、手数が増える村田選手にエンダム選手も手を休めずず打ち合いに応戦。

村田選手の右ストレートがカウンター気味にエンダム選手の顔面にヒットし、この試合最初のダウンを奪います。

第5ラウンド

ダウンを奪った余裕からか、無理に責めず、これまでのラウンド同様にガードを固めて前に出てプレッシャーをかける村田選手。

ダウンを奪われ焦るエンダム選手はパンチを出し続けるものの、村田選手のガードを崩せず有効打は奪えない様子。

反対に村田選手は2連続で右フックをエンダムの顔面にヒット。

その後、リング中央で足を止めて打ち合う両者。

互いのガードを崩せず、両者ともに決定打はなく一度距離を取る。

村田選手はその後もガードポーズのままプレッシャーをかけ前進し、左ストレートや右ストレートでエンダム選手をふらつかせるものの、決定打にならず、エンダム選手がその都度息を吹き返し向かっていく。

第6ラウンド

ダメージの蓄積からか、足がふらつくエンダム選手に、村田選手はプレッシャーを掛けながら追いつめ、パンチを出す。

エンダム選手は、体力回復のために距離を取ろうと離れるが、村田選手はさらにプレッシャーを掛ける。

村田選手の右ストレートが何発かエンダム選手にヒットするものの、ダウンを奪えず、残り10秒で、村田選手が右アッパーを繰り出すも、こちらもヒットしたもののダウンは奪えず、6ラウンドは終了。

第7ラウンド:ロープに救われるエンダム選手

スタミナからか手数が減り村田選手との距離を取るエンダム選手に対して、村田選手は、プレッシャーを与えつつ、隙を見て右ストレート。
ガードの上からでもエンダム選手を吹き飛ばすが、ロープに支えられてダウンを免れるエンダム選手。

ダメージの蓄積とスタミナでエンダム選手は足がふらついているのか、右フックを強振した後にバランスを崩して倒れる場面も。

第8ラウンド

やや両者消極的なラウンド。

エンダム選手は足を使わずに、リング中央で打ち合おうとする姿勢も見せるが、村田選手が前に出て距離を詰めると、パンチを恐れて距離を取るため、村田選手も手が出せない状態。

エンダムのパンチをガードし続けた村田選手は残り時間20秒のところで右ストレートをエンダム選手のボディにヒット。

第9ラウンド

これまでとは打って変わり、村田選手が積極的に右ストレートを繰り出す。

右を警戒するエンダム選手に対して、左フックも織り交ぜる事で試合の主導権を握る村田選手。

エンダム選手が逃げ回る展開になり、村田選手のワンツーがエンダム選手の顔面をとらえると、たまらずクリンチに。

村田選手は左のジャブヒット後に、ラッシュに入るものの、これはエンダムがしっかりガードを固めて防ぎ、そのまま距離を取り攻めきれず。

第10ラウンド

序盤から前に出てパンチを繰り出す村田選手。

エンダム選手の顔に左のジャブがヒットすると、さらにワンツーでエンダム選手の体を吹っ飛ばす村田選手。

これには観客も沸き、ダウンの期待も高まる会場。

クリンチで村田選手の攻撃から逃れるエンダム選手に、村田選手は強烈なボディな見舞う。

その後は、村田選手のワンツーが繰り出されるが、エンダム選手を捉えられずにラウンド終了。

第11ラウンド

村田選手のジャブがヒットするが、エンダム選手はレフリーに聞いていないとのアピール。

村田選手の右ストレートを回避し、ガードの上から右ストレートをもらうも倒れぬエンダム選手。

足を使い、村田選手が的を絞らせぬよう巧みに動く。

エンダム選手は村田選手にラッシュを仕掛けようとするものの、ガードを固めた村田選手はそれを防ぎ、強烈な右ボディでエンダム選手の脚を止める。

試合は最終12ラウンドへ

解説も観客のムードも村田選手の判定勝利ムードへ。

それを理解してか、村田選手はガードを固めながらプレッシャーをかけ、足を使い動きまわるエンダム選手へボディを撃つものの、それ以上は無理に攻めずに試合を運ぶ。

そのまま最後まで村田選手が試合をコントロールまま試合終了のゴング。

そして疑惑の判定へ

村田選手が判定勝ちと思われたが…!?

『WBA世界ミドル級王座決定戦12回戦』村田諒太選手と、アッサン・エンダム選手の試合は、終始村田選手が試合をコントロールし、第4Rのダウンもあり、村田選手の判定勝ちは確実ムード。

観客も解説者も、テレビで試合の中継を見守った視聴者も村田選手の勝利を疑いませんでした。

しかし判定は2-1エンダム選手の勝利

ジャッジ前に、自身の勝利をアピールするガッツポーズをする村田選手。

しかし、なんとなく不穏な雰囲気を察したのか、村田選手は、やや不安げな表情を浮かべていました。


それでも、誰もが村田選手の勝利を疑わなかった運命の判定。

1人目のジャッジは、116-112で、まさかのエンダム選手の勝利とすると、村田選手の表情も「まさか」といった表情。

2人目のジャッジは、117-110で村田選手の勝利としましたが、続く3人目のジャッジは116-112でエンダム選手の勝利。

『WBA世界ミドル級王座決定戦12回戦』は、同級1位の元世界王者アッサン・エンダム(フランス)が勝利し、チャンピオンとなりました。

まさかの判定結果に会場は大ブーイング!

そりゃそうだ。

村田諒太がエンダムに判定負けした理由は!?

村田vsエンダム戦のジャッジペーパー

手数が少なかった為負けた!?

全ラウンドの様子をお伝えしましたが、やはり俯瞰してみても村田選手が終始試合を支配していたように思います。

では、村田選手がアッサン・エンダム選手に判定で負けてしまったのは一体なぜなのでしょう!?

審判買収による八百長や誤審の可能性も高いように感じますが、ボクシングという競技の目線で、疑惑の判定の理由を調べてみました。

ジャッジは″有効打”をとる審判と″手数”をとる審判に分かれる

日刊スポーツの5月21日付の紙面によれば、ボクシングの世界戦で、これまで107試合もの審判経験を持つ元レフェリー・森田健氏は以下のように語っています。

「今の採点基準はあいまいで、有効打をとる審判と手数をとる審判に分かれる。今回は手数をとる審判が2人いた」

つまり、確実に相手にヒットした有効打は確実に村田選手のほうが多かったものの、パンチの数、つまり手数が少なかった為、パンチを撃った回数が多かったエンダム選手が勝利したというものです。

うーん。。

でもやっぱり納得いきませんねえ。。

アルピニストの野口健も納得してない

WBA会長も村田諒太とアッサン・エンダム戦の判定に謝罪コメント

WBAはエンダムとムラタの再戦を要求

世紀の誤審、八百長も疑われる『WBA世界ミドル級王座決定戦12回戦』村田選手の判定負けに対して、WBA会長ヒルベルト・ヘスス・メンドサ会長は「ダメージ埋めるに相応しい言葉ない」とコメントし、チャンピオンシップ委員会に両者の再戦を要求するコメントを公式サイトに掲載したそうです。

WBAの会長自身が「この試合のジャッジは報道陣、観客から“疑惑の判定”と批判を受けている」と疑念を持たれていることを認めた事になります。

Twitterでもコメント「私が審判なら117-110で村田が勝ちだ」

また、WBA会長のヒルベルト・ヘスス・メンドサ会長は、公式サイトでの声明では怒りが収まらず、自身のTwitterアカウントで、自身の考えをコメントしていました。

私は公正な採点が下すことができないスポーツに怒りと不満を覚える。私の採点では村田が117―110で勝っていた。村田諒太と帝拳プロモーション、日本のボクシングファンにお詫びしたい。ひどい判定がもたらすダメージをどう回復させたらいいか、言葉が見つからない。私はチャンピオンシップ委員会に再戦を要求する

WBA会長のジャッジぺーパー

こちらが、WBAのヒルベルト・ヘスス・メンドサ会長が自身で村田選手とエンダム選手の試合を採点したジャッジペーパー。

6ラウンド以降はすべて村田選手がポイントで上回っています。

ただ、ダウンを奪った第4Rでは、エンダム選手のほうがポイントが高いですね。

うーん、ボクシングって複雑なんですね。

疑惑の判定に対する各方面のコメント

帝拳の本田明彦会長のコメント

村田選手が所属する、帝拳の本田明彦会長は、判定結果に対して試合後にコメント。

「長くボクシング界にいるが、こんなひどい判定は見たことがない。ワンサイドの試合。ボクシングの信用がなくなってしまう判定だ」と

怒りをあらわにしていました。

レフェリーの森田健氏のコメント

ボクシングの世界戦で豊富なレフェリー&ジャッジ経験のある森田健氏は

「私は2ポイント村田が勝っていた」

と村田選手が勝っていたとのコメントをしています。

元世界暫定王者の石田順裕氏のコメント

元世界暫定王者の石田順裕氏も

「村田の圧勝だった。あんなパンチの手数だけで勝てるならもうプロボクシングじゃない。ジャッジに何か(疑惑)を感じる」

と、ジャッジの判定に対して八百長や審判買収などの疑惑を示唆するコメントを残しています。

疑惑の判定負けの村田諒太のコメント

結果を受け入れると自身のFacebookにコメント

村田選手は、試合後にFacebookを更新し疑惑の判定負けとなったエンダム戦の結果を「受け入れるしかありません」とコメントしていました。

そして、「多くの方に応援いただいたのに、勝つことが出来ず申し訳ございません」とファンに謝罪するとともに、ダウンを奪い終始優位に試合を進めながらも、まさかの判定負けについては

「勝ってた負けてたはジャッジの仕事なんで、受け入れるしかありません」「それがアスリートの役目かと思っています」

と言い訳をせずに受け入れるコメントをしています。

うーん、男ですねえ。。

自分だったら絶対に納得しないし、抗議したなあ。

エンダムに感謝の弁も

村田諒太選手は、試合後に、対戦したエンタム選手と対話し、ツーショット写真を自身のFacebookにアップ。

「エンダムと話してました。大切なことは、2人がベストを尽くしたこと、日本に来てくれて感謝していると伝えました。エンダムとエンダムのスタッフたちにも感謝いたします。ありがとうございました」

とエンダム選手に対して感謝の気持ちをつづっています。


こんな事、普通は言えないなあ。

村田選手!

男を上げましたね!

村田選手の今後は!?引退する!?しない!?

気になるのは、村田選手の今後です。

ここまで勝ち上がるのは並大抵の努力ではなかったでしょう。

そして試合も終始優勢に終え、疑惑の判定負け。

普通のメンタルなら、ボクシングそのものが嫌になって、努力したことが馬鹿馬鹿しくなり、引退してしまうかもしれません。

しかし、村田選手はあくまで冷静に

「少し休んでこの先のことは考えます」

と自身のFacebookにコメントしていました。


どうか引退せずに、悔しさをバネにリベンジしミドル級の世界チャンピオンになって欲しいですね!

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