過去20年間で最悪の火事となった糸魚川大火災の出火元となった中華料理店の店名がラーメン屋『上海軒』だと判明し、火事を起こした原因も警察と消防の調べによって明らかとされました。
この火災の原因となった上海軒はどれほどの賠償金を支払う必要が出てくるのでしょうか？

糸魚川大火災とは、12月22日午前10時30分ごろに新潟県の糸魚川市で発生した大火災です。
その火災規模は過去20年間の中で最悪のものとなり、住宅がおよそ150棟、約8万平方メートルもの範囲が延焼する最悪の火災事故となりました。
この火災の影響で現在も363世帯、744人もの住民が今も避難勧告を受けており、寒空の中で過ごすことを余儀なくされています。

消防署だけでなく自衛隊まで出動して消火活動を行った糸魚川大火災でしたが、大火の火は中々収まらず、火災から約30時間が経過した12月23日の午後16時半頃にようやく消火されました。
消火に時間がかかった原因は水不足だったのだそう。

大量の住宅を焼き過去最大級の被害を出した糸魚川大火災でしたが、幸いにも死人や重傷を負った方はおらず、軽症者が11人出るだけに留まりました。
軽症を負ったのは避難の際に煙を吸った女性(42歳)と避難の時に転んで頭を打った女性(47歳)、消火の際に目や足に軽いけがを負った47歳・44歳・27歳の消防隊員など合計11名だったようです。

火事がここまで大きくなった原因ですが、専門家によるとこの大火の原因は冬の日本海で起きる『フェーン現象』というものだったらしく、昔ながらの街並みで木造建築の建物が密集していた糸魚川市に乾いた強風が吹き荒れ、火の粉が広範囲に飛び火してしまった事が火災の規模をここまで大きくさせた要因だったようです。

ニュースや新聞などでは中華料理店またはラーメン屋としか報道されていなかった糸魚川大火災の火元ですが、火事が鎮火された後ニュースで火元のラーメン屋が実況見分されている様子が映し出され、ネット上でそこから火元となった店の店名が特定されてしまいました。

ネット上に拡散されている情報によると、火元となったお店の名前は『上海軒』という老舗のラーメン屋だったようです。

上海軒は、地元の人間に美味しいラーメン屋さんを聞くと必ず名前が挙がるほど地元では有名なラーメン屋であり、小規模ながらお昼時には毎日のように常連が詰めかけ相席が必須になるほどの人気店だったそう。

店内の様子も画像の通り昭和のラーメン屋さんといった雰囲気の出で立ちであり、昔ながらの雰囲気を好む年齢層の人間に好まれるラーメン屋だったそうです。
残念ながらウェブサイトなどが存在せず、店主の名前や顔写真も撮られた事はなかったようでした。

今回火元となってしまった72歳の上海軒男性店主が火災を起こしてしまった原因ですが、調べに対し上海軒店主は
「開店前の料理の準備の際、鍋に火をつけたものの、いったん店を離れて自宅へ向かい、戻ってきたら火が出ていた。火を消そうとしたが勢いが強く消せなかった」
と述べています。

調理場の中華鍋を火にかけたまま店を出て行ってしまい、結果寸胴鍋が火にかけられすぎて空焚き状態になった事が火事の原因のようですね。

店主の不注意が原因で多くの住人が焼け出されてしまい、億単位の損害が出ている今回の糸魚川大火災。
気になる店主の損害賠償金額ですが、『失火法』という法律によって上海軒の店主は守られており、賠償金を全く払わなくてもよい可能性が出てきています。

失火法とは火事によって起きた損害に限り出火元は損害賠償をおこなわなくてもよいという法律なのですが、この失火法は天ぷら油からの出火や暖房器具の放置、寝タバコが原因の出火など重過失が原因の場合は適用されません。

もしも中華鍋の放置が重過失だと認定され、失火法が適用されなかった場合は訴訟された住民全員分の損害賠償を支払う義務が出てきてしまう事でしょう。

過去20年間で最悪の被害を出し、今でも744名の人間が避難所生活を余儀なくされている今回の糸魚川大火災。
上海軒の男性店主は失火法においての重過失が認定されてしまうのでしょうか？

糸魚川市側には被害に遭った方々が一刻も早く元の生活に戻れるよう働きかけて欲しいものですね。
死人や重傷者が出なかったのは不幸中の幸いでしたが、巻き込まれた住人たちが本当に気の毒です。