腸腰筋ダイエットとは、お腹にある筋肉である腸腰筋を鍛えることによって、お腹周りをスッキリするダイエット法です。ただ、腸腰筋ダイエットの効果はそれだけにとどまらず、全身の血行を促進したり、姿勢を改善する効果もあります。

腸腰筋ダイエットについて説明する前に、まずは腸腰筋とはどこにあってどのような働きをしているのかについて見ていきたいと思います。

腸腰筋とは、腸骨筋と大腰筋の2つを合わせたもののことをいいます。大腰筋は腰の骨と股関節を結んでおり、腸骨筋は腸骨と股関節を結んでいます。大腰腰は腰のお腹側にある筋肉で、股関節を曲げたり、外側に開く時に働く筋肉です。腸骨筋にも同様の働きがあります。

大腰筋は腰のお腹側についている筋肉なので、この筋肉が緊張して固くなってしまうと、前側に牽引力が働くことで体が前傾して猫背気味になってしまいます。また、腸骨筋が緊張すると、股関節が外旋してしまいます。

股関節が外旋するというのは簡単に言うと、膝頭が外を向いて、O脚になってしまうということです。O脚＋猫背というと、農家で働いている腰の曲がったおばあさんの姿勢を想像してもらうと分かりやすいと思います。

腸腰筋の働きについて見て頂いたところで、今度は腸腰筋ダイエットにはどのような効果があるのか、そのメカニズムも含めて解説していきたいと思います。

腸腰筋はお腹の前側にくっついている筋肉です。この筋肉を鍛えることで代謝効率がアップし、お腹周りがスッキリしてきます。お腹やせというと腹筋運動をイメージしがちですが、腸腰筋にアプローチした方が、遥かに簡単に、しかも効率良くダイエットをすることが可能です。

なぜかというと、腹筋運動は局所へのアプローチであることと、運動自体がキツイからです。その点、腸腰筋ダイエットは腹筋運動よりも格段に軽い負荷で、しかも腸腰筋以外の筋肉も動員するため、効率的にダイエットを行うことが可能です。

腸腰筋は腰の骨や骨盤、股関節にくっついており、この筋肉が固くなることで骨盤が後傾し、いわゆる猫背の姿勢になってしまいます。猫背は姿勢を良くしようと努力することではなかなか改善しません。なぜなら、姿勢を良くしようとする意識自体が新たに筋緊張を生じさせるからです。

それよりは、腸腰筋を鍛えることで土台（骨盤）をしっかりと安定させ、その上に乗っかっている背骨やその周囲に筋肉に負担をかけない方が、効率良く姿勢を改善することが可能です。

腸腰筋が緊張すると、股関節が外旋してO脚気味になってきます。すねの骨が外側に開いてしまっているタイプのO脚は残念ながら改善が望めませんが、太ももが外側に開いているタイプのO脚であれば、腸腰筋ダイエットによって改善が可能です。

それでは、腸腰筋ダイエットをするにはどのような運動が有効なのでしょうか。アプローチ法はいろいろあるのですが、最も簡単なのは学生の時に体力測定でやったアレです。

腸腰筋ダイエットを行うにあたって、最も簡単で最も効果的なの踏み台昇降です。難しいことを何も考えず、漫然と踏み台に昇ったり降りたりしているだけで、確実にお腹周りや下半身が痩せてきますし、ヒップアップや姿勢改善にもつながります。

メリットばかりのトレーニング法ですが、唯一欠点をあげるとすれば「つまらない」という問題点があります。テレビを見ながらや音楽を聞きながら、1日に5分で良いので続けることが重要です。

腸腰筋にアプローチする方法は他にもたくさんあって、スクワットや件水なども効果的です。また、上り坂をウォーキングしたり、登山をするのも良いでしょう。自分に合った腸腰筋ダイエットの方法が見つかると良いですね。