頭痛が起こる原因にはいろいろあって、病気などが原因のものもあればそうでないものもあります。そして、頭痛を感じて病院を受診する人のほとんどが、後者の病気が原因ではない頭痛とされることが多いということです。では、そのような頭痛にはどういったものがあるのでしょうか。

頭痛を訴えて病院を受診される人の中で、病気以外が原因の場合の頭痛で圧倒的に多いのが、緊張型頭痛と言われるタイプの頭痛です。そして、もう一つはおなじみの偏頭痛と言われるものです。

緊張型頭痛も偏頭痛も同じようにポピュラーな頭痛ですが、その原因や対処法は全く反対なので、正しく対処しないとなかなか頭痛が改善しないことになります。では、どのような違いがあるのでしょうか。

それではまず最初に、緊張型頭痛とはどのようなタイプの頭痛なのかについて見ていきたいと思います。頭痛持ちの方の多くがこのタイプなので、「そうそう」とうなづける方も多いことと思いますよ。

緊張型頭痛は難しい言い方をすると。血管収縮性の頭痛であるということができます。血管が収縮すると血液の循環が悪くなります。そうした血行不良が脳に見られた場合、脳は危険を感じて血液を脳に送るようにサインを出します。その時に頭痛が現れるという訳です。

緊張型頭痛の原因は血管が収縮することですが、特に首や肩といった脳への血液のルートである場所の筋肉が緊張することによって頭痛が誘発されやすいことが分かっています。そのため、長時間のデスクワークで首や肩の筋肉が緊張している人に緊張型頭痛がよく見られます。

また、体が冷えていたり、ストレスが溜まっていたりすることによっても血行不良が起こります。そのため、緊張型頭痛はウィークデーよりも週末など、休みの日に多く見られるということです。

それでは、日本人に多く見られるもう一つの主要な頭痛である偏頭痛について見ていきたいと思います。一般的に、片頭痛の方が緊張型頭痛よりも思いと言われています。

緊張型頭痛が頭全体がはちまきで締め付けられるような痛み型なのに対して、片頭痛の特徴は、こめかみのあたりがズキンズキンと拍動をともなって痛むという特徴があります。また、緊張型頭痛と比べて症状が重くて期間が長いという特徴もあります。

吐き気や嘔吐をともなうこともしばしばあり、片頭痛の前兆として閃輝暗転といわれる、目の前がチカチカと明るくなって、そのあとに暗くなるといったことも起こります。緊張型頭痛の場合にはこのような前駆症状は見られません。

片頭痛は、血管収縮性の緊張型頭痛とは反対に、血管が拡張する時に頭痛が見られるのが特徴です。そのため、頭痛を抑えるには拡張した血管を収縮させる必要があります。

緊張型頭痛と片頭痛は、全く別の頭痛という訳でなく、両方を併せ持っていることもあります。なぜなら、血管が収縮した後には拡張が起こるからです。ただ、頭痛の現れ方によって対処法は正反対になるので注意が必用です。

緊張型頭痛は筋肉の緊張によって血管が収縮することによって起こるので、筋緊張を緩和して、血液の循環をよくすることで頭痛の緩和を目指します。お風呂にゆっくり浸かって体を温めたり、普段から血行を良くしておくことが重要です。

片頭痛は血管拡張型の頭痛なので、緊張型頭痛の時のように体を温めてしまうと、血行が良くなってかえって頭痛がひどくなってしまいます。そのため、偏頭痛が出ている時には原則として入浴は控えるようにしましょう。

また、光や大きな音も片頭痛がひどくなる要因となるので、静かにして照明を落とした部屋で、こめかみのあたりを冷やしてゆっくりと休みましょう。頭痛の初期にはコーヒーなど、カフェインを含む飲み物を摂るのも有効です。

頭痛が出ると痛み止めを飲む方も多いと思いますが、あまり痛み止めに頼りすぎてしまうと「薬物乱用頭痛」になってしまうことがあります。どうしても痛い場合は仕方がないですが、症状が頻繁に起こるような場合にはお医者さんに相談するようにしましょう。