暴風警報での休みに給料は支払われるの?

台風や吹雪などといった悪天候が原因で気象庁から暴風警報が出された際、会社から“自宅待機”を命じられる事があります。
働く側にとっては少し嬉しいこの命令ですが、この場合、自宅待機を命じた会社からこの日の賃金が支払われる事はあるのでしょうか?
労働基準法や民法から見た台風の日の支払い義務について分かりやすくまとめてみました。

暴風警報の基準とは?

過去のデータから外出が危険な基準を算出

暴風警報とは

暴風警報とは

暴風警報とは1秒当たりの風速平均値が基準の値を上回り、強い風による災害が予想される際に気象庁から発令される気象警報の一つです。
この暴風警報が出されている時に外出するのは危険であり、公共交通機関が停止することも多い事からこの警報が出ると会社側から出社しないよう自宅待機命令が出される事が多々あります。

地域ごとに違う暴風警報の基準とは?

地域ごとに違う暴風警報の基準とは?

暴風警報は過去のデータの蓄積によって計算されているので基準は地域によって様々であり、同じ風速の台風が上陸しても暴風警報が出る場所と出ない場所が分かれたりもします。

例えば東京都と大阪府に平均風速20m/sの暴風が予想された場合、東京23区内の暴風警報の基準は平均風速25m/sですので警報は暴風注意報に留まりますが、大阪市の暴風警報の基準は20m/sですので同じ暴風でも大阪市にだけは暴風警報が発令されるといった具合です。

風速25m - YouTube

出典:YouTube

風速25メートルの中ってこんな感じ。
実験施設の中で女性達風速25m/sの中歩こうとしていますが、大人の人間でも何かに掴まらなければまっすぐ歩くことすら困難です。
風速25メートルは街の木が折れる事もあるという風の強さですので色々な物が置かれている外では危険が一層高まりそうですね。

“自宅待機”は命令?休業?

自宅待機命令は仕事に含まれる?

自宅待機の決まりとは

自宅待機の決まりとは

“自宅待機”とは、言葉の通り会社からの命令がいつでも受け取れるよう待機し出勤許可が下りれば会社に出社できるよう準備だけ整えておくことを指しています。
携帯電話がなかった時代は家から出ることが出来ずに“連絡を待つ”という業務を命令されているようなものでしたが、現在はスマホがあればどこでも連絡を受けることが可能であるため同じ業務命令でも会社の臨時休業に近い扱いとなったようですね。

自宅待機中の外出は…

自宅待機中の外出は…

スマホがあればいつでも連絡を受けられるとはいえ、暴風警報での自宅待機は出社による外出が危険であるため命令されるものですので休日と同じく外に出て遊び回るのは自宅待機と言えません。
自宅にいても待機時間中は飲酒なども控えましょう。

労働基準法での自宅待機の扱い

労働基準法では保障されていない!?

暴風警報による自宅待機の記載なし!

暴風警報による自宅待機の記載なし!

台風による暴風警報が出て自宅待機の命令が出され、突然の休日(または半休)が言い渡された場合、気になるものといえばこの日の給与についてでしょう。

自宅待機の日も賃金が支払われればまさに一石二鳥の得した日になるのですが…労働基準法には暴風警報による自宅待機の日の給与について記載されている条文は存在しておらず、この日の賃金について会社側・労働者側どちらにも法律の提示を行っていないようでした。

民法による自宅待機の扱い

民法第536条に記載があった!

民法第536条(債務者の危険負担等)が該当?

民法第536条(債務者の危険負担等)が該当?

しかし、労働基準法には記載がなくとも民法にはこの日について解釈を持てる法律が存在しておりました。その法律とはズバリ、民法536条。

この法律は分かりやすく説明すると買い手側と売り手側のどちらにも非がなかったにも関わらず商品などの受け渡しが出来なかった場合の料金支払い義務について記されているのですが、買い手側と売り手側を会社と労働者に変え、商品を労働力に置き換えると暴風警報による自宅待機の際の給与が法律でどう扱われるのかが分かるのです。

暴風警報での自宅待機命令は給与なし!

暴風警報での自宅待機命令は給与なし!

この民法536条第1項を参考にすると自宅待機による休業が会社側・労働者側のどちらの責任でもない場合、労働者には賃金をもらう権利が無いようですね。
台風は天災ですので不可抗力とみなされ商品(労働力)の提供と料金(給与)の支払い義務が同時に無くなってしまうようでした。

少し残念…。

民法債権 第536条【債務者の危険負担等】
第1項:当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない。

民法債権第536条の第1項原文

お休みでも賃金をもらうには…。

会社側の責任立証が必要

会社に責任があればお給料は支払われる

会社に責任があればお給料は支払われる

暴風警報の発令による自宅待機命令が出された場合は賃金の支払いはありませんが、もしも会社側から「今日は暇だから出社しなくていい」「しばらく暇になるから自宅待機をしていて欲しい」と言われていた場合、これは会社側の経営責任が原因となります。

労働基準法第26条では給与額の6割以上が、民法536条にのっとった民事訴訟を行えば全額の賃金支払い義務が生じますのでうっかり損や違法行為ををしないよう気をつけましょう。

アルバイト・派遣社員も同じ!

アルバイト・派遣社員も同じ!

もちろんこれは正社員でもアルバイトでも派遣社員でも同じです。
労働基準法違反をされていないか・違反していないか労働者側・会社側双方が気を配りたいものですね。

不意の休みはラッキーだけど…給与は得できなかった

台風で出来る突然の休みはラッキーですが、残念ながら暴風警報が原因の自宅待機では賃金の支払い義務は発生しないようでした。
給与が貰えないのは残念ですが、それでもお休みはお休みですので台風の日は家の中でじっくり心身をリラックスさせたいものですね。

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*Putyu*

元栄養系大学生。得意科目はダイエット。
辛いものと猫が大好き