2016年5月18日、日本のGDP速報値が発表されました。
予想よりも良い数字だったこの経済指標ですが、次回の消費税増税をストップさせる決め手になるのでは？と話題になっています。

ちなみに現在の消費税は8％

2016年1-3月期のGDP速報値は、1.7%増でした。
（実質値、前年比）
予想の0.3%よりも大幅に増えています。

前期比は0.4%増

理由は、「日本でも海外からの労働者が増えたから」など国際化が主なものです。

GDPは、Gross Domestic Productの略です。
国内総生産と訳されます。

GNPは、Gross National Productの略で、
国民総生産と訳されます。

GDPは「国内」なので日本のなかで外国人労働者が稼いだお金※などが入ります。

いっぽう、GNPは、日本国民が海外で稼いだお金※を計算に入れるものです。

「人」か「国」かの違いです。

昔はGNPが中心でしたが、1990年代に米国がGDPを国内統計の中心に切り替えたことから、日本もGDPを重視しています。

※　稼いだお金だけでなく、使ったお金、生産したお金、という意味も持っています。

・実質GDP
物価が動くと数値が乱れるので、ちょっとした計算をして出した使いやすい値です。経済がどれだけ成長しているかをみるときにふさわしいです。

・名目GDP
実質GDPを出す前の元の数値。物価変動による影響がそのままになっている値です。

株をやる人などは、名目GDPと株価を比較したりしています。

・GDP速報値
速報と確報があります。
速報は、ふたつくらいの根拠を元にささっと作るもの。
確報はむつかしい統計をいっぱいそろえてじっくり作るもの。
発表の時期はそのぶん遅れます。

正確なのは確報値ですが、速報値を見て世の中がワーワー騒いだ後なので、確報値はあまりお祭りにならない印象。
ただし、速報値とあまりにもかけ離れた数値だと、お祭りになりやすいです。

熊本地震での損害額は最終的にはどうなるかわからないくらいです。

ちなみにベッキーがCMを降板した損害額は5億円。

これよりめちゃ多いのは想像がつきます。

大きなマイナスになるはずのGDP速報値を持ち上げた「うるう年効果」とは？

去年の1月～3月の儲けと比べると、今年は2月29日のぶん1日多く稼げるから、GDPも増えるのは当たり前だよね。

ということのようです。

2016年の1月から3月の期間、日本経済に打撃を与える出来事がいくつもありました。

・1月29日に、前代未聞の「マイナス金利」を導入
（経済にとって良いか悪いかわからず経済活動が混乱）
・4月14日、4月16日に熊本地震が起き、トヨタなどが生産休止
（その間の儲けが減る）

こういうことがあったのに、国の中でどれだけ儲かったかなんていったって、儲かってるわけないじゃないか！っていう感触を持ちます。

「うるう年効果」大きいです。

「予想が0.3だったのに1.7だなんて、すごいよねー景気良いよねー」
と喜べればいいのですが、うるう年効果を引いてしまうと、こんな数字になります。

ニュースを総合すると、うるう年効果は1.1～1.2持ち上げているんじゃないか、ということでした。

そうすると1.7%でウェイウェイ言っていたのに、最悪、

1.7 - 1.5 = 0.5%

ですね。

予想の0.3と変わらないイメージになってしまいました。
前期比なら、0.3％がうるう年効果として、本当の経済成長は、

0.1%

うえー！

そういうことで、実際はやっぱ日本経済しょぼいよヤバいよという意見が多いです。

消費税の再増税は、2017年春に予定されているものの、なんとな～く安倍さんは「いや～いろいろあってさ、やっぱ延期しようかな」という空気に持って行こうとしているようです。

外国の専門家にわざとらしく「ショウヒゼイ、ゾウゼイ、ヤメタホウガイイヨ」とか言わせてうなずいていましたね。

1989年　消費税3%
1997年　消費税5%に引き上げ
2014年　消費税8%に引き上げ

現在、2017年に10%に引き上げの予定（？）

政治家でも当然、意見が分かれます。国民はやめて欲しいという人が多いです。

熊本地震があったばかりじゃないか、損失も出したし、今回のGDP速報値だってうるう年効果を除けば良くなかったじゃないか！消費税再増税なんて後に決まってるだろ！これ以上、国民を苦しめる気か！？

みたいな一般の意見がみられます。

消費税再増税をすると、安倍さんの人気が一気に落ちるという予想も。つまり、しないほうが良いということですね。

こういう問題をTwitterなどで調べると、よくわからない政治的な信条を持った人たちがドロドロと書いていて、ふつうの意見が隠れてしまいます。

それでも、株をやっている人なんかはサッとうまくまとまったtweetをしています。

熊本地震が、再増税先送りの理由になりえるかがポイントだと思いますが、とりあえず復興に関して安心させてから騒いで欲しいような。

自民党の高村副総裁の言葉もツッコまれましたね。

条件さえ揃えば延期できるもんなの？と思っちゃいますが。

・熊本地震が「大震災級」に該当する
・GDPめっちゃ悪い

他に世界経済の減速、日本の消費関係の数値の悪化、など。
熊本地震をまるでゲームの駒のように言っている政治家も居ました。彼らの感覚をざっくりまとめると、

「ぜんぶかき集めたら、イケるんじゃね？」

ということでしょう。楽天ポイントみたいに考えないで欲しいですね。

本田内閣参謀関与は、消費税は上げるべきでないと4月の終わりに発言しています。理由は国民がまだデフレ気分を引きずっているから。

「賃金が安い、欲しいものが買えない」

と考えているのに、消費税を上げたらもっとマインドが冷え込んでしまうというのです。

物価が安いのにどうして消費税を上げちゃダメなの？と一瞬思いますが、物価が安いと賃金も安くなります。それで「欲しいものが買えない」という気持ちが蔓延します。

これから、安倍首相が消費税再増税について、会談を予定しています。

自民党の谷垣幹事長、公明党の山口代表と相次いでということは、谷垣さんとの会談が先になるのでしょうか。

二人とも消費税増税は、推進派として知られています。

「推進派と話し合ってもやっぱ先送りだわー」

と先送りの理由の強さをアピールする材料になるかも？

借金大国、日本。頼みの綱の製造業も斜陽とあっては、将来が見えません。消費税を再増税したほうがいいのか、ダメなのか、蓋を開けてみなければわかりません。

将来のことは誰にもわかりません。

ただ株の人がよく「落ちてしまった株価を上げたかったら、消費税増税をやめるべきだ」と言っています。

国民にたくさん消費してもらって景気を盛り上げたいなら、単純に考えて消費税をこれ以上上げるのは、今は無理なのかもしれません。