実の親子で手を組んだ、お笑いコンビ・完熟フレッシュが2018年、各方面で引っ張りだこになっています。

その真新しさと、インパクトのあるネタで、話題をさらっているようです。
そんな完熟フレッシュのブレイクのきっかけや、人気の秘訣、気になる親子関係まで詳しくご紹介します。

父と娘で手を組み結成した、年齢差30歳の異色のお笑いコンビです。

・名前　　：池田57CRAZY（イケダゴナクレージー）
・本名　　：池田哲也
・生年月日：1975年8月17日
・血液型　：A型
・年齢　　：42歳（2018年4月現在）
・出身地　：山口県宇部市
・身長　　：169cm
・所属事務所：ワタナベエンターテインメント

・名前　　：池田レイラ
・生年月日：2005年3月1日
・血液型　：A型
・年齢　　：13歳（2018年4月現在）
・出身地　：東京都
・身長　　：142cm（まだまだ伸び盛り）
・所属事務所：ワタナベエンターテインメント

異色の親子漫才、完熟フレッシュが注目されたきっかけは、2018年元日に放送された『ぐるぐるナインティナイン』内のネタ見せ企画、『おもしろ荘』です。
父親の自虐ネタもさることながら、まだ中学生の娘の池田レイラさんの鋭いつっこみが光り、その存在感と真新しさから『おもしろ荘』放送後に各方面から出演オファーが殺到した模様です。
歳の差30歳コンビ、異例の親子漫才でブレイクを果たしました。

完熟フレッシュのフレッシュではないほう、池田57CRAZYさんは、かつてサンミュージックプロダクションに所属していたお笑いコンビ、ロックンロールコメディーショーのボケ担当でした。
このころの芸名は「ロックスター池田」だったそうです。
ちなみにさらに時を遡ると、ジャンボジェットというコンビでプロダクション人力舎に所属していたことがあります。
現在の事務所がワタナベエンターテインメントであるので、これまでに3つの事務所を渡り歩いています。
さすが「池田57CRAZY」という芸名も伊達ではありませんね。

お笑いコンビロックンロールコメディーショーは2013年に事実上の解散をしたのですが、それは池田57CRAZYさんがタレント業から手を引くことにしたためです。
池田57CRAZYさんは結婚していましたが、いつまでも売れない芸人を続けていることに奥さんが憤り、家庭のために一般的な仕事に就くことに決めたのです。

芸人を辞めてスポーツジムに勤務するようになった池田57CRAZYさんですが、その後奥さんと離婚してしまいます。
離婚原因はどうやら奥さんの浮気にあったようです。
池田レイラさんの親権は池田57CRAZYさんが持ち、シングルファーザーとしての生活が始まります。
池田57CRAZYさんと奥さんの関係性が具体的にどのような感じだったのかはわかりませんが、娘の池田レイラさんからするとはた迷惑な話ですよね。
お父さんについていくことは彼女が決めたのでしょうか？
とにかくモヒカンお父さんとの父子家庭での生活を余儀なくされました。

お笑い芸人になって売れるという夢を志半ばで諦めた池田57CRAZYさんでしたが、どうやらお笑いへの想いは捨て切れなかったようです。
2015年に『M-1グランプリ』が復活するということで、ぜひ出場をしたいと考えました。
しかし普段は会社員として働くようになったため、いつも好き勝手に休みをとるようなことはできません。
そして自分が組む相方にはできるだけ迷惑をかけたくないという思いがあったようです。
そこで池田57CRAZYさんが選んだ自分の相棒、コンビとしての相方が、娘の池田レイラさんだったのです。
「なんで！？」と普通なら思うような発想ですね。
まさか実の娘をお笑いの世界に巻き込むなんて。

ただ、池田レイラさんも芸能の世界に少なからず憧れがあるようでした。
実は以前に子役として活動していたこともあるのですね。
それ以上に、頼りないお父さんが心配で放っておけない気持ちがあったかもしれません。

こういった経緯で親子2人はお笑いコンビ「完熟フレッシュ」を結成し、事務所は無所属ながらアマチュアとしてM-1グランプリに出場します。
娘の池田レイラさんの存在感が光り、2016年は3回戦、2017年は準々決勝進出までコマを進めました。
そして完熟フレッシュの2人の転機、大晦日明け、2018年元日に放送された『おもしろ荘』に出演しました。

『おもしろ荘』は、人気バラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』のネタ見せ企画です。
2007年より、年に数回ほどの頻度で放送されています。
この『おもしろ荘』のすごいところは、これまでに数多のブレイク芸人を発掘しているところです。
既に人気のある「面白い」芸人さんを出演させるのではなく、まだ無名に近いながらも磨けば光る原石かもしれない、「面白そう」な芸人さんを出演させることがコンセプトです。
若手芸人の登竜門的企画といってもいいでしょう。

『おもしろ荘』をきっかけにブレイクした芸人として代表的なのが、小島よしお、オードリー、あばれる君、クマムシ、日本エレキテル連合、8.6秒バズーカー、おかずクラブなど、他にもたくさんいます。
そしてもちろん、2017年に空前絶後の大ブレイクを果たしたブルゾンちえみさんも『おもしろ荘』の出です。

ブルゾンちえみに続けと、2018年も1月1日に血気盛んな芸人たちが集まりました。
お客さんの投票で優勝を決める『おもしろ荘』ですが、目立って爪痕を残せれば勝敗は関係ありません。
大事なのは、これから芸人として仕事が得られるか、です。
そして2018年も『おもしろ荘』からブレイク芸人が出ています。
その1人が、ひょっこりはん。

優勝はしていないものの、そのコミカルでわかりやすい芸風がウケ、なんと既に某有名携帯電話会社のCMにも出演を果たしています。
そしてもう1組ブレイクの兆しが現われているのが、完熟フレッシュです。

『おもしろ荘』出演後、完熟フレッシュの2人になんと20もの番組から出演オファーがあったようです。
そして無所属で活動していた完熟フレッシュに大手プロダクションが手を差し伸べ、ワタナベエンターテインメントと契約を交わすことができました。
完熟フレッシュとしては願ったり叶ったりの状況です。

ずっと売れない芸人を続けてきていた1人の男が、実の娘とコンビを組んだ途端に売れ出すなんて、不思議な世の中ですね。
『おもしろ荘』のオーディションも以前のコンビでは7、8回受けても一度も受からなかったそうですが、娘の池田レイラさんと組んだら1回で受かったそうです。
まさに親の七光りならぬ、娘の七光りですね。

漫才ネタ中は常に憤慨モードの池田レイラさんですが、そのいたいけで可愛らしい容姿は観る人を和ませてくれます。
むさ苦しい中年男性2人のコンビでは決して味わわすことのできない癒しがありますね。
いつもお父さんを叱ってばかりの池田レイラさんですが、時折見せる仲の良い親子間の朗らかな笑顔がとても印象的です。
モヒカンで筋肉モリモリでパンクな格好をした前衛的なお父さんですが、その外見から一歩退きたくなる気持ちが娘さんの可愛らしさのおかげで和らいでいますね。
この可愛さが、他の中堅芸人などでは見られない完熟フレッシュのウリの一つでしょう。

ネットでは、完熟フレッシュに対してわりと否定的な意見も多く見られます。
それはなぜかというと、池田57CRAZYさんに対する池田レイラさんのダメ出しが激しすぎて、「子供にやらせるネタじゃない」とか、「観ていて不快になる」などと感じる人が多くいるみたいなのです。

確かに、漫才中に池田レイラさんがお父さんの胸を連続で殴ったり（筋肉ムキムキのお父さんはビクともしませんが）、他の芸人さんたちのことを「お前ら」呼ばわりするところなど、ちょっとやりすぎではないかと感じるところもあるかもしれません。
笑いと笑えないラインの境界線にあたるネタだとは思います。
池田レイラさんがまだ子供なので、その微妙なラインで笑い側をとる、雰囲気作りや喋り方がやや難しいのかなという気がします。
お笑いというのは本当にちょっとの差で、笑ってもらえたり、退かれたり、すべったりするものですからね。

ただ完熟マンゴー、ではなく完熟フレッシュの、父親の自虐ネタ、娘の強烈なダメ出しつっこみのネタは、わかりやすくかつとてもインパクトのあるネタになっています。
「生まれてくる家間違えたー！」という最後の決め台詞的オチもいいですよね。
賛否両論あるネタですが、賛否両論があるということはつまりそれだけ注目されているということです。

お笑い芸人のコンビというのは、だいたいが同じぐらいの年齢の同姓、たまにある程度年齢が離れていたり、異性のコンビも組まれていますが、30も歳の開いた実の親子のコンビというのはとても珍しいです。
その真新しさが、間違いなく完熟フレッシュのウリになっています。
「えっ、なんで親子でやってるの？」と、まず興味を惹かれますよね。

やっぱり娘の池田レイラさんの存在感は、際立っています。
「中学生がよくぞこのような場に」という感想が、まずあります。
そしてただやらされているわけでなく、この完熟フレッシュをそのポテンシャルで牽引していっているのも池田レイラさんで、なんだかお父さんのほうはどちらかというとマネージャーのようなポジションになっている気がします。
漫才ネタだけでなく、その後のフリートークも娘の池田レイラさんがリードしていっているというのが、すごいですよね。
池田57CRAZYさんは我が子に救われている思いがあるのではないでしょうか。

完熟フレッシュのフレッシュなほう、池田レイラさんは、その歯に衣着せぬ物言いで実の父親に強烈なダメ出しをする漫才を披露しますが、昔はとても引っ込み思案な性格だったようです。
学校で「チビ」と言われて、泣いて帰ってくるような。
今のように気持ちが強くなったのは、どうやら意識的に成長したというより、そうならざる得なかった状況があったようです。

離婚をして、父子家庭で生活するようになってから、周りからも「父と娘2人だけでは無理だ」というようなことを言われていたようです。
そう言われる悔しさから、お笑いで成功して見返してやりたいという気持ちがあったようですが、無理がたたって父親の池田57CRAZYさんは病気になって倒れてしまいます。
そこでもう娘に身を委ねるというか、助けてくれという感じだったようです。
そうやって父親のお世話をするうちに、今みたいな父親がへりくだって娘が説教をするような関係性になったといいます。

舞台上でも、父親の池田57CRAZYさんが緊張で噛んだりネタを飛ばしたりすることに対し、池田レイラさんは「そういう時は照れ笑いで終わりにしないで、何か切り返して笑いにしなきゃ」というふうにお笑いの先輩かというようなアドバイスを送ったりしています。
このヘタレキャラのお父さんと、しっかり者の娘という、本来あるべき関係性がひっくり返っているところが、完熟フレッシュの一番のアクセントになっていそうです。
あとは筋肉モリモリモヒカン男と、ちびまる子ちゃんのようなおかっぱ少女という外見のインパクトも強いですね。

父親の池田57CRAZYさんの最近の困ったこととして、娘の池田レイラさんがネタ作りをしたいと言ってきているようです。
とても積極的で良いことのように思えますが、池田57CRAZYさんはそうは思ってはいないようです。
なぜなら、なんでもそつなくこなす娘に対し、池田57CRAZYさんはネタを作っているということだけがコンビの相方としての唯一の生命線だからです。
そんなネタ作りに関する池田レイラさんのコメントがこちら。

なんと優秀なコメントでしょうか。
これで池田レイラさんがネタを作り始めて、父親のネタよりはるかに面白いものが仕上がった日には、完熟フレッシュとしての池田57CRAZYさんの存在意義は完全に奪われてしまうでしょう。

と、娘のあまりの出来の良さに怯んでいるお父さんでした。

父と中学生の娘という異色のお笑いコンビ、『おもしろ荘』をきっかけにブレイクした完熟フレッシュの2人をご紹介しました。
完熟フレッシュの漫才ネタはほぼノンフィクションということで、公私ともに娘に依存し、娘に養われている（？）お父さん。
現在中学生という娘の池田レイラさんがいつまでお笑いを続けるかはわかりませんが、実の父と娘という唯一無二のコンビの快進撃はもうしばらく続きそうですね。