ジャニーズ事務所は、一部活動再開に至った過程を2月28日に、「治療の過程において、バランスをとりながら回復状況に合わせて本人の希望を叶えていくことが、治療を段階的に進めていく上で重要であるというご意見を医師からいただき、弊社も岩橋と向き合う中で目標を持って治療に臨む重要性を感じましたため、ご本人やご家族、医師とともに話し合いを重ねて参りました。活動再開は時期尚早であるというご意見もございましたが、本人の意思に反し、希望を断つことがマイナスに作用することを懸念し、それらを踏まえた総合的な判断により、緩やかに活動を再開する方法論を模索した結果、3rdシングルへの参加を皆様にご報告した次第でございます」と発表がありました。

このような病気は判断が非常に難しいと思いますが、結果として本人含め周りが的確な判断が出来なかったということでしょう。

パニック障害は、パニック発作、予期不安、広場恐怖を主徴とする精神障害です。ストレスや不安などが原因で、100人に1～2人の割合で発症します。うつ病や不安神経症、社交恐怖症、強迫性障害を併発することが多いです。

治療は、薬物療法、曝露反応妨害法、心理療法があります。
曝露反応妨害法とは、軽い不快感や恐怖感を引き起こす状況にあえて直面させ慣れさせていくといった治療法です。
おそらく、岩橋さんはこの療法を試みて失敗したのでしょう。

普通なら、復帰延期は回復しているがまだ復帰には早かったと判断して延期する、ということになるかもしれませんが、医師に入院加療が適切と判断されたとなると話は違ってきます。

これからわかることは、回復していたが復帰時期の判断を誤って症状が悪化した可能性が高いと推測できます。
パニック障害だけで入院することはほとんどありません。入院する場合には、うつ病などが併発している場合で、岩橋さんもなんらかの病気が併発している可能性が高いと考えられます。

芸能人は毎日過度なプレッシャーや不安にさらされて緊張状態にいるせいか、一般人よりもパニック障害を発症する人が多いように感じます。

パニック障害だったことを公表した芸能人をご紹介します。

岩橋さんと同じジャニーズ事務所の「Sexy Zone」に所属している同年代の松島聡さんも、2018年11月に「突発性パニック障害」の診断を受けて休養しています。

松島さんは周りから天然と言われていましたが、真面目で一生懸命、周りに気配りができる方だったようです。
少しずつ無理をしていた歪みがパニック障害となって表れた可能性が高いでしょう。
2019年3月現在もまだ復帰の目途はたっていないようです。
若くまだ時間もあるのですから、焦らず何年かかってもよいので完全に治ってから復帰して欲しいです。

岩橋さんのジャニーズ事務所の先輩、堂本剛さんも15歳の時から約10年間、パニック障害を患っていたと公表しています。
「当時はいつも死にたいと考えていた」と堂本さん自身がショッキングな発言もしていることからもわかるように、相当長期間苦しんだのでしょう。相方の光一さんと音楽の存在が克服するきっかけになったということです。

長嶋一茂さんもパニック障害に苦しんだと告白しています。
一茂さんがパニック障害を患ったのは、30歳でまだプロ野球選手だった時のようです。

偉大なる父、長嶋茂雄さんの存在のために、毎日極度のプレッシャーを感じていたことでしょう。パニック障害が発症した年に父親の茂雄さんから直接戦力外通告を受けてプロ野球選手を引退しましたが、パニック障害を発症し練習も満足にできなかったことが引退を受け入れた原因のひとつになったそうです。

うつ病が併発し、自殺衝動もあったと告白しています。少しずつ症状が良くなってくるまで14年かかり、現在は症状がかなり良くなっているが完全には克服してはいないと話しています。

安西ひろこさんのパニック障害で壮絶な闘病生活をおくっていました。

2001年仕事の忙しさと当時結婚を考えていた恋人との別れがきっかけで突然パニック障害を発症したそうです。

トイレにも行けず部屋の中に尿や便を垂れ流し状態、「お前なんか死ねばいいじゃん」などの幻聴も聞こえてくるような壮絶な闘病生活をおくったそうです。

安西さんは13年間パニック障害に苦しみましたが、母親も若いころ同じ病気を患い克服したという話を聞いてから少しずつ回復していったそうです。

パニック障害自体は命にかかわるような病気ではありませんが、うつ病を併発すると命にかかわる危険があります。
過去、うつ病が原因で自殺したと言われている芸能人の中にはパニック障害からうつ病を併発した人もいるでしょう。

こうならないためには、早期発見、早期治療が重要です。
パニック障害は完治しづらい病気ではありますが、治療で進行させないようにすることはできます。うつ病などを併発する前に治療を始めれば命にかかわる可能性は低くなります。

今回、残念ながら一部復帰延期となってしまった岩橋さんですが無理して復帰し最悪の状況になるより、何年かかってもよいのでしっかり治療してから復帰して欲しいです。
ファンも岩橋さんの復帰を催促せず、心の中で祈るだけにした方がよいでしょう。
パニック障害にとって、プレッシャーを感じさせてしまうことは完治を遅らせる以外のなにものでもないのですから。