パンダといえば白黒の体をしているのが一般的ですが、中国にいる世界唯一の茶色いパンダ・チーザイ君がネット上で「可愛い」と大きな話題となっています。
チーザイ君は今年で7歳となり、すっかり大人になった事から中国の保護施設では繁殖計画も持ち上がってきているようです。

画像は発見された当時のチーザイ(七仔)君。

チーザイ君は2009年に発見されたオスの茶色いジャイアントパンダです。
生後2ヶ月の時に中国山間部の秦嶺山脈自然保護区内で発見され、母親が育児放棄をしていた事からそのままパンダ保護施設で保護される事となりました。

茶色いパンダは現在秦嶺山脈でのみ5頭発見されていますが、チーザイ以外の茶色いパンダは黒い体の所々に小さな茶色い斑点がある程度であり、黒い部分が完全に茶色になっているパンダはチーザイただ1匹となっています。

世界で唯一完全茶色なパンダなのです。

見た目が他のパンダと違うことから母親から育児放棄を受け、保護によって九死に一生を得たチーザイ。
現在は中国南部にある『秦嶺パンダ野生化訓練仏坪基地』で保護されているそうですが、チーザイは他のパンダ仲間からもいじめを受けてしまい、現在他のパンダから隔離された囲いの中で育てられているんだそう。

飼育員いわく、チーザイは他のパンダより動きが遅くのんびりとした性格なんだとか。
マイペースな性格ながら体重100キロ越えの立派な体格をしており、毎日20kgもの笹を食べ、1日4食の食事の中ではパンやミルクを食べることもあるんだそう。

茶色と白のパンダは現在チーザイが発見・保護された秦嶺山脈でしか発見されておらず、一部の学者は茶色いパンダはパンダとは微妙に違う亜種の生命体なのではないかという考察を発表しています。
体の色が茶色いという特徴はパンダの中では劣性遺伝であり、チーザイはたまたま出にくい亜種の特徴が完全に現れた珍しいパンダなんだとか。

一方、茶色いパンダはアルビノと同じように遺伝子異常が原因であり、他のパンダと違う所は特にないという考えを発表する学者もいます。
推察だけならば様々な考えが発表されているようですが、チーザイが茶色い理由は現在はっきりとは分かっていないようです。

今年で7歳となり、人間年齢に換算すると20歳～21歳となったチーザイ。
中国では現在パンダの遺伝子解明の一環としてチーザイの繁殖計画を立てられており、来年度からパンダ同士でのお見合いが始まると言われています。

チーザイはオスのジャイアントパンダなので、お相手はやはり茶色い部分のあるメスのパンダとなるのでしょうか？

国際自然保護連合(IUCN)は今年の9月、パンダの分類を絶滅危惧種ⅠB類(絶滅の危険が非常に高い種)から絶滅危惧種Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に変更し、絶滅の可能性が減った事を発表しました。

世界的な保護活動もあってパンダの数は年々増えてきており、このままいけばいずれパンダは身近な動物になるかもしれません。
そうなるとチーザイのような茶色のパンダも多くなってくるのかもしれませんね。