無線LAN(Wi-Fi)を使う人ならほとんどの人が利用している言っていいほど使われている最新セキュリティー規格『WPA2』ですが、その『WPA2』に重大な脆弱性がある事が判明し、普段使っているスマホやパソコンなどに影響が出ているかもしれない事が発表されました。

そこで、『WPA2』の脆弱性による影響と対策方法をインターネット初心者向けに紹介します。

『WPA2』とは、無線LAN(Wi-Fi)を使った通信の内容を暗号化し、スマホやパソコンなどの機器から出されている情報が、電波を途中で盗み見されても内容が分からないようにするセキュリティーの事です。

分かりやすい図にするとこのようなカンジになるのだそう。
2017年10月現在無線LAN(Wi-Fi)でやり取りされる情報はほとんど『WPA2』で暗号化され守られていましたので、Wi-Fiでの通信はハッキングに対して強い耐性があると信じられていました。

『WPA2』はDocomoやau・SoftbankのスマホやiPhone、ノートパソコンやPS4やPS3などのゲーム機などで行う通信で広く利用されており、企業や学校のネットワークセキュリティーにもほとんどこのセキュリティーが採用・推奨されています。

ですので、『WPA2』はスマホやパソコン・ゲーム機でインターネットを使っている人ならほぼ全員が利用しているセキュリティーと言ってもいいといわれています。

世界規模で広く利用され、これまでで1番のセキュリティーだとも言われていたWPA2。
しかし、世界最高峰のコンピューターセキュリティー技術者やハッカーが出席して行われる国際的会議イベント『ブラックハット2017』にてそのWPA2の脆弱性が指摘され、その原因が利用者側からは修正不可能な仕様レベルの重大なものであった事が発表されてしまいました。

WPA2は、自宅でルーターなどを利用してインターネットにアクセスする際、今使っているスマホやパソコンがそのルーターでのWi-Fiの利用を許可しているのかを識別するのにも使われています。
ですので、もしもWPA2の脆弱性を突いたハッキングをされた場合、自宅のルーターが勝手に使われていわゆるWi-Fiの“タダ乗り”が出来てしまう可能性が指摘されています。

また、それによってパソコンの乗っ取りも可能になってしまいますので、自分が使っていないうちに勝手にパソコンを遠隔操作され、ログインパスワードなどを変更されて自分のパソコンを自分が使えないという状況に陥る可能性もあるのだそうです。

さらに、これはスマートフォンも同じであり、Wi-Fi利用中にスマホのハッキングを受けた場合、スマホを乗っ取られて自分のLINEアカウントなどを使った詐欺行為や乗っ取りスマホを利用したその他違法行為を行う踏み台にされる可能性もあるのだそう。

企業のパソコンも無線LAN(Wi-Fi)を使っている事がほとんどですので、もしも会社のパソコンが乗っ取られた場合、企業秘密や社外秘情報、個人情報などが全て丸裸にされてしまう可能性があります。

今回発見されたWPA2の脆弱性は、スマホやパソコンを使っている利用者側では修正出来ない問題です。
しかし、幸いにもインターネット通信自体ではなくWPA2の暗号化の問題ですので、USBの優先アダプターなどを購入してWi-Fiを極力使わず、ケーブルが壁に繋がっている有線LANでの通信に切り替えておくように心がけましょう。

また、思い切って無線LAN(Wi-Fi)での通信範囲が家や会社の外にはみ出ない範囲が狭めのルーターに買い替えるのも対策方法の一つと言えるのだそうです。
外にさえ無線LANの電波がはみ出なければ家に侵入されない限りWi-Fiの通信を勝手に使われたりそこからパソコンを乗っ取られる心配はありません。

世界中で使われているセキュリティーだっただけにWPA2の脆弱性発表の影響は大きく、これからルーターの買い替えや新しいセキュリティーの発表、通信機器の需要の改変など様々な分野で革新が起こると言われています。
詳しい情報はさらに後日発表されるとのことでしたので、続報が気になるところですね。