稲川淳二さんの芸能活動は、面白い話をラジオで話したりお笑い芸人としてリアクション芸をしたり、というスタートでした。

その後、怪談家として活躍されますが、いくつもの肩書をお持ちです。

実は工業デザイナーとしても多大な功績を持ち、芸術家としての才能も。

稲川淳二さんは、怪談家としての活躍だけでも、テレビやDVD出演、講演、執筆と多彩です。

しかし、怪談以外にも多数の顔を持ち、かつては工業デザイナーだったことは最近特に話題になりました。

・工業デザイナー（インダストリアルデザイナー）

・パチンコ台のモデル
・ゲームのモデル
・恐怖コミックのモデル

・歌手や俳優、テレビ出演などのタレント活動
（アニメの声優、映画の吹き替え、ラジオパーソナリティー、CM出演、
・書籍とDVDなどの発売）

・障がい者を支援する活動と講演
・前立腺がんを乗り越えた経験の講演

今回はデザインも文字も美しい、芸術家としての稲川淳二さんをまとめてみました。

工業デザイナーとしても活躍していた稲川淳二さん。

出身校は、多数のデザイナーを輩出している『桑沢デザイン研究所』です。

なんと、過去にはグッドデザイン賞を受賞した作品もあるとのことで、実はスゴイデザイナーだったのです！

ほかに、

バーコードリーダーの初期のタイプ、
新幹線の検札機、
ハンディと呼ばれるバーコードを読み取るもの、
プロボクサー柴田国明さんのポスター、

などをデザインしたそうです。
梅図かずおさんとのテレビ出演のときに、本人が言っていたそうです。

どれもとても機能的で、しかもシンプルで美しいですね。

稲川淳二さんが工業デザイナーとして受賞したグッドデザイン賞は、単なるチャラチャラしたデザインでは受賞できないようです。

グッドデザイン賞は経済産業省の管轄の賞のようです。

経済産業省のホームページに、特設ページが作られています。

グッドデザイン賞の前身は、「グッドデザイン商品選定制度」というものでした。これは、1957年創立です。このとき、まだ経済産業省は、通商産業省という名前でした。

その後、1998年に、（財）日本産業デザイン振興会がこの活動を継承したそうです。

これが、グッドデザイン賞（Ｇマーク制度）です。

グッドデザイン賞を受賞してはじめて、Gマーク（グッドデザインマーク）を付けることができます。

Gマークのデザインは、故亀倉雄策氏です。

グッドデザイン賞を受賞するためには、社会に暮らす私たちの生活をより豊かにし、産業の発展を促すとともに、美しさも兼ね備えていなくてはならないようです。

稲川淳二さんの車どめにも、付いているはず。

稲川淳二さんを検索すると、よく出てくるグッドデザイン賞ですが、会社単位でなら応募できるようです。

自信のある商品を作っている会社は、ぜひグッドデザイン賞に応募してみてください。

残念ながら2016年の募集はもう終わってしまいました。

4/6～6/1　が受付です。

過去の応募作は、自動車やトースターなど何でもありました。

応募資格は、”「応募対象の事業主体者」および「デザイン事業者」”で、応募したい商品をデザインした会社や作っている会社、ということです。

個人はできないようですね。

また、応募に必要な費用も、

”受賞対象１件につき基本出展料124,200円”

だそうです。やっぱり会社で応募するもののようですね。

この「受賞者インタビュー」の動画では、選ばれやすいものの傾向もなんとなくつかめます。

応募要項は、経済産業省のグッドデザイン賞のページから行けます。
（https://www.g-mark.org/）

「車どめ」がグッドデザイン賞を受賞したという話題は、稲川淳二ご本人からもよく出ます。

マスコミで最初に取り上げられたのは、漫画家の楳図かずおさんとの対談でした。

デザインの名前は、車止め[JI-01]です。バージョン違いがいくつかあるうちの一つです。

”車止め[JI-01]

1996年度の商品デザイン部門でグッドデザイン賞を受賞”

と書いてありますね。

この写真に車どめの写真と、受賞時の証書が載っています。

これは、株式会社まち空間さんのページから。
今はこの会社が、稲川淳二さんの車どめを販売しているようです。

ところで、経済産業省の年鑑には1995年からの受賞作が記録されています。

稲川淳二さんの「車どめ」は翌年の受賞ということで、ギリギリでインターネットで確認することができました。

また、このページには「自然石車止め」とあり、商品としては御影石などの石が素材のようです。

グッドデザイン賞には、家から車どめまで、さまざまな製品が出品されます。

稲川淳二さんが受賞した年の大賞は、家のデザインが受賞しました。

このミサワホームの家は、ゆとりのある空間を実現したデザインと、廃材を使った建築資材とのマッチング、外観やコンセプトの優秀さで大賞を受賞しました。

グッドデザイン賞のページには、1995年からの受賞作が載っています。

稲川淳二さんの車どめは、JI-01で検索すると見つかります。

検索結果は（http://www.g-mark.org/award/search?from=&prizeCode=&keyword=JI-01）

稲川淳二さんの車どめが受賞した「公共空間用設備器具部門」では、金賞がこのパイプ状の設備です。

車どめは、残念ながら金賞を取ることはできなかったようです。

しかし、その才能からいっても、今後も稲川さんの作品が何かの賞をいくつも取る可能性は高そうです。

車止め[JI-01]のほか、稲川淳二さんがデザインした車どめは、これだけのバージョン違いがあります。

とてもスタイリッシュで美しいです。

これは、販売用の写真です。

ちなみに、車どめ[JI-01]という記号はグッドデザイン賞にエントリーしたときのもので、ここで「ＪＩ－１Ｍ」などと表記されているのは、今の販売用の型番ですね。

梅図かずおさんとの対談のなかで、稲川淳二さんが車どめについて気になることを言っていました。

稲川淳二さんと梅図かずおさんの対談が行われたのは、NHKのEテレ、「SWITCHインタビュー達人達」という番組だそうで、2014年のこと。（放送日は9月6日）

スタジオに置かれた「車どめ」を稲川さんが差し、実は工業デザイナーの肩書があり、これがグッドデザイン賞をもらったやつだと話しました。

中にライトが入っていて、光るようになっているのは、安全面でも優れていますね。

ん？中を人が歩ける？

そうとう大きそうですね。写真だし、スーパーの駐車場のあの四角いタイヤを止めるのをイメージしていたので、ビックリしました。

株式会社まち空間のページをみてみましょう。取締役などに稲川さんの名前はありませんが、車どめを販売しているところです。

株式会社まち空間　http://www.machi-kukan.co.jp/index.html

この、株式会社まち空間の商品紹介のページを見るとサイズがありました。

一番底の円の直径が40センチ、上の円の直径が20センチのようです。

そして、高さは85センチとあります。（85ミリメートルの表示）

この車どめの、穴に人間が入れるわけではなさそうです！

「ライトが光る」「その中を人が歩ける」と聞き、車どめがとても大きくて、その中に入れる、歩ける、と思ってしまいました。

しかし、実際は車どめがいくつか置かれている間を、人が歩いて楽しむもののようです。

想像図としてはこういうところでしょうか。

しかし、今度は車をどのように止めるのかという疑問が残ってしまいました。

これについては、いまだによくわかりません。

梅図かずおさんとの対談のときに、スタジオに置かれていたというので、写真を探してみました。

あっさり見つかり、大きさの雰囲気がだいたいわかりました。

稲川淳二さんが作った車どめと書かれた写真が見つかったのですが、裏を取ることができませんでした。
しかし、車どめっていういうヤツのことだったのですね。

やっとわかりました。

また、稲川淳二さんの文字も話題になっています。

まるで新しいフォントのようにシステマティックで美しいという話です。

これも梅図かずおさんとの対談で披露されたもの。見た事のない形で、稲川さんにしか書けないですね。

怪談ノートと呼ばれ、怪談の仕事用のメモに使われているようです。

この独特な文字は、工業デザインを学んだ人なら納得の形だそうで、「製図文字」というそうです。これは、読み間違えのないように、デザインの効率を高めるように使われていたもの。

稲川さんがデザイン学校に通っていた頃には、コンピューターもCADも無かったころで、すべて手描きでした。

目的と美しさが融合した素晴らしいものですね。

2015年7月から「稲川フォントver.0.1」が配布されはじめたそうです。

しかしほんとうは、フォント風の画像だそうで、ちょっとがっかりですね。それでも面白いのでダウンロードしてみたいものです。

どうやらこの方が作ったようです。

”稲川フォントver.0.1配布します。”

”png形式となってるので”

”各自で並べてお使いください”

と書いてありますね(笑)。画像ですね。

メンドくさそうですが、作ってくれて嬉しいです。

今は「稲川フォント」はファイルが削除され、幻の画像となりました。

こうなったら、ぜひ公式で作ってほしいですね。